[2025年7月9日]
近年の小・中学生にいくら「違うよ」って注意しても、具体的なやり方を説明しても、変わらずに生徒が言い続ける言葉があります。
「えっ?これって、こうしとけば良いんでしょ」
「学校の先生が『何か』こんなことを言ってた」
「こうしとけば、丸くれるって言ってた」
です。
ヒドイ場合には「分からんから先生に聞きに行った(ここまでは素晴らしい)ら、先生が式と答えを教えてくれた。それを覚えといて書いて何でいけんの?」です。
もちろん、これが全員ではありませんが、自分がやってる自覚が無かったり、修正してくれない生徒が多数派になっていることは事実です。
殆んどの勉強には【根拠】【理由】があります。数学や理科は勿論、漢字や英単語にも理由や傾向があります。私の感じる「理由無く覚える」のは年号と人名・地名くらいです。
算数の計算ひとつとっても、用語の意味とルールが有り、順序が決まってます。
それを理解もせず、ルールに従いもせず『何かこんな感じ』で【とにかくやった(つもり)】【とにかく書いた(埋めた)】では学力は上がるどころかどんどん下降するに決まってますよね。
後に社会人になって、「何かこんな感じ」でやった仕事が許される訳がありません。
では、何故子ども達はこの【意識】や【やり方】を修正してくれないのでしょうか。
まず、学校ですが、勉強は、生徒が主体的に責任を持って受け取ろうとしてくれるしかありません。一人一人の理解度や修正項目を先生が確認しながら授業するには、今の30倍の時間と労力が必要になります。「質問に行く」と言うけれど、理由や根拠の説明をしていては何時間掛かるか・・・。簡単に「こうなるんよ」で帰らせないと・・・。
その上、「覚えるんよ」と指示しても、「は〜〜い」とお返事だけで覚えてくれなければ「どうすれば」良いのでしょうか?
昔なら「立たす」「残す」「見せしめ」等の罰も可能でしたが、現代では不可能です。全て子どもに迎合です。更に保護者から「家の〇〇ちゃんがそんなことをするはずがありません。先生の指導力不足でしょ。担任を変えて下さい」まで起こります。
いくら先生が必死で指導しても、放っといたり、無視しても罰はありません。欲しいものは全て与えてもらえます。時間さえ経過すれば自然と許して貰えます。生徒の人生の大半はそうやって生きてきました。
じゃあ、先生はと言えば、事件や犯罪さえ起きなければ【目を瞑る】しかできません。
テストも一般的なレベルで出題すると点数ガタガタが続出です。
そこで問題レベルを簡単にし、出題問題を明確にし、式と答え(英語なら文章・単語)まで説明し、少しでも答えて欲しい対策をします。それでも平均点は中学で60点前後です。
それでも学校は評価します。全体が低いので、少しくらい低くても【普通】なのです。
小学校では「よくできる」が普通です。「がんばろう」があったら、相当意識しないと・・・。
中学校ではほとんどの生徒が【3】です。テストで35点とっても80点とっても【3】が付いているのを見たことがあります。
高校はもっとヒドイです。進学実績の下がっている高校は、通称『下駄を履かす』をしています。実力が下がっているので少しでも「推薦入試」で合格して欲しいので、怖いくらいの上乗せをしてごまかしています。気が付いていないのは生徒と保護者だけです。
これらの証拠に、近年の小・中学校の学校目標に「自分で考えて行動する」とか「自分から進んで行動する」とか「将来を予想して自分で考えられる生徒」とか「責任を持った行動を」とかを見ます。これって『出来ていないから学校現場も困っている。だから、それを目標に』以外に何がありますか?
子ども達が、こんな「生ぬるいごまかし主義」になってしまったのは何故でしょうね。
綺麗ごとや行政任せではなく、みんなで考える必要があるのではないでしょうか。