[2014年3月23日]
侍の頭はなぜそるの?
平安時代の終わりごろに武士が生まれました。
武士は、貴族のまねをして、髪を後ろで束ねるようになりました。
しかし、かぶとをかぶる時にジャマになるし、
頭がむれてしまいます。
それで、頭の中央からひたいにかけて、髪をそり、むれるのを防ぐようにしました。
これを「月代(さかやき)」といいます。
この月代は「いざ鎌倉」となればいつでも出陣するぞ、
という武士の心がまえなのです。
戦国時代の武士たちは、戦争のとき、
よろいかぶとに身を固めました。
しかし、あのかぶとは、風通しも悪そうですし、重そうです。
夏の暑いときなどは大変だっただろうと思います。
事実、武士たちにとって頭の痛い問題だったようです。
そこで考えたのが、髪の前方をそることだったのです。
こうすれば、頭もむれませんし、いくらかでも涼しくなります。
この習慣が、天下泰平の時代に入っても続いたのは、
武士の心意気を示すためだったのです。
つまり、「いったん事があれば、いつでも出陣しますよ」という気持ちを、月代を常にそることで示したのです。