パソコン版を見る

早稲田育英ゼミナール
巻教室

[2014年11月9日]

おしゃべり

塾長の荒川です。
お久しぶりの更新です。

テストが近づいて、日曜日の自習室が満席の状態です。
教室運営としてはうれしい限りですが、席の追加を視野にいれなければいけませんね。


今日のテーマは「おしゃべり」。

個別指導の多様なあり方のひとつと思って読んでいただきたいのですが、
一部の生徒は、様々な経緯があって、
おしゃべりが授業の基盤になっています。


たとえば、理科のある現象の理解(一人で基本的な問題を解き進められるレベル)が、
その日の授業のゴールとします。


ある生徒は、集中してお話を聞くことが苦手です。
点数を上げたい気持ちはとても強く、宿題も終えてきますが、
授業内容が頭に残っていないために、宿題があまり意味をなしていません。


まずホワイトボードに書いて説明
                ⇒失敗(よそ見)
次に生徒のノートにカラフルに書き込み
                ⇒失敗(見ながら解かない)
テキストをいっさい使わない、科学現象のおしゃべり
                ⇒大成功



試行錯誤の結果、この生徒の場合、おしゃべりがぴったりと当てはまりました。

「勉強」という雰囲気ではないため、会話が双方向になり、
生徒自身から「なんで?」とか「○○はどうなんですか?」というように
質問が飛んでくるようになったのです。

そして、何より大きい成果は、その後に取り組んだテキストを用いた演習においても、
なんとなく進めるのではなく、正解を取りに行く姿勢が見られたことです。



もちろん、「おしゃべり」の時間が増えるほどに授業での演習量が減ってしまい、
テスト範囲の網羅からは離れていくことになるのですが、

本人からしてみれば、
授業と1週間の宿題を通じて何かを理解できたという大きな進歩となりました。




この経験の積み重ねから、
最近意識しはじめたことではありますが、

集中力のある、定期テストで400点以上の好成績の生徒たちにとっても
「おしゃべり」は積極的に取り入れるべきなのかもしれません。


英語であれば英作文、理科なら化学分野、社会なら政治分野など、
これらの生徒からすればある程度の知識はあるのですが、
いざ入試形式で問われると
「どうしてそこで間違える!」と言いたくなるミスが多くなるのが事実です。

そして、経緯を確認してみると、学んでいた知識から連想できるような
ささいな情報が抜け落ちていたり、

逆に、学んだ知識の一部を勘違いしていて、誤って連想してしまっていたり、
これらのことが原因です。


つまるところ、学んだ用語や現象をアウトプットして理解を確認する機会がなかったために、
このようなことになってしまうのだと私は考えています。



生徒の頭の中まで覗き込むことはできませんし、
演習量ばかり重視していては
正解か不正解かでのみ理解度を測ることなってしまいそうです。



最近は、日曜日などに、内容を厳選して「おしゃべり」の時間を作るようにしています。
まだまだ発展途上の案なので、すべての生徒に当てはまるとはいえませんが、
指導の質を今後も高めていくため、また生徒自身の積極性の後押しのために、
努力していきたいと思います。