[2016年5月21日]
パレートの法則って知ってますか?
もともと経済学の話で,会社で収益をあげている商品のうち,上位20%の品物が全体の利益の80%を生み出しているとか,すべての顧客のうち,上位20%の人が売り上げの80%を占めているとかいう話。
一部のものが全体の大部分に寄与するって話です。
それで,勉強してもなかなか成果がないと嘆いている生徒で,このパレートの法則を知らないからできないというケースが非常に多い。
試験によく出る大事な部分と,あまり出ない部分を同じように時間をかけても成果はなかなか出ません。
成果が出ないとはいいませんが,時間がかかります。
2浪でも3浪でもしてください。
これが典型的にあてはまるのが英単語です。
システム英単語(通称シス単)の第1章ベーシックステージの600単語は本当に試験によく出ます。
逆に,それ以外の単語はほとんど出てきません。
これは去年の関大の長文(決して作為的に選んだのではないです)ですが,第1章に出てくる600単語を緑の枠で囲ってみました。
そして,オレンジの枠は第2〜4章,青枠は第5章です。
(意外な意味のある第5章の単語は覚えておいて損はないので別枠にしてある)
たまたま選んだ関大の長文の冒頭2段落15行の中で,実に第1章の単語が37も出てきます。そして,第2〜5章の単語はわずかに7つです。
どちらを優先的に覚えますか?
よく見てください。15行で37個も知らない単語があったら何も意味がわからないでしょう。
よく冗談かと思うような役所の開示資料で黒塗りばかりされている文書が出ます。
あるいは,戦時中の表記禁止用語みたいに黒塗りしてみるとこうなります(笑)
この黒塗り状態の人が「僕,長文が苦手なんです」などと言ってきたらそりゃ読めないわって感じになりますね。
このように第1章に出てくる単語がどれくらいの頻度なのか,過去に何度も検証しています。
何回検証しても同様の結果です。
それほど,このシス単の第1章は必須の英単語だといえるでしょう。
だから,とにかくウチの塾の生徒にはシス単の第1章600語を徹底的にやれと言っているのです。
念のために書き加えると(この念のためがめんどうなのだが,本当に頭の悪い人がイチャモンつけてくるので書いておきます),600以外を覚えるなと言っているのではありません。
覚えられるものはどんどん覚えたらいいのです。
ですが,積極的に完ぺきに覚えようと命がけでやるべきは第1章の600語です。
一般的なパレートの法則よりずっと効果的に,この600語で全体の8割の意味がとれると言ってよいでしょう。
だいたい8割の意味がとれたら,残りは推測でなんとかなります。
よく,関関同立とか国公立に行くなら,英単語はどれくらい覚えるべきかなどというアホな議論をする人がいます。
5000とか8000とか聞いたこともあります。
それを聞いて,必死で出ない単語を5000も覚えているくせに,肝心のよく出る600語があいまいなために,毎回どの文を読んでもあいまいにしか意味がとれない生徒がたくさんいるのです。
なお,600語の派生語は600語のうちです。
たとえば,recent とrecentlyは1つの単語ですね。
とにかく,まず600語を完ぺきにしてください。
そのあとは,3000でも5000でも10000でもいくらでも覚えたらよいです。
なお,進学校で1000とか2000覚えさせる場合がよくあります。
600語がしっかりしていないのなら,これは先生と生徒の自己満足の時間ですね。
特に英語が苦手と自認する諸君は,1か月間他の勉強を一切せずに,シス単の600語をひたすらくりかえして完ぺきにすることをおススメします。
これを真に受けて本当に極端に実行して,何の損もないですよ。
見違えるように英語が得意になりますよ。
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