[2016年7月15日]
模試を受けて一喜一憂する人が多いです。
しかし,統計というものをよく考えると,何を喜んでいるのか残念がっているのか,全く意味不明です。
とにかく,模試の成績を見て,足りないところを埋め,できたように見えて実は危ういところを修正していくことで,合格可能性が高まっていくわけです。
その姿勢のみが重要です。
某高校の進路資料が手に入りました。
模試と実際のセンター試験のグラフが示されています。
英語は模試と本番での順位に入れ替わりが少なく,模試の高得点者が本番で失敗することが少ないのです。逆に,模試で得点が低いのに,本番で9割などという例もありません。
以前に別資料を用いて説明しましたが,こういうのを相関が高いといいます。
それを数値化して,完全に比例関係の場合を1,全く無関係を0として,0から1の間の数値で表す相関係数というのを統計学では用います。
英語や数学,社会などは0.7とか0.8といった高い数値を示します。
仮に,この模試が高3の秋だとすると,相関係数の高い科目の得点は夏までに決まってしまうということです。
さて,国語は?
国語はなんとなくイメージできるかもしれませんが,模試でできたからといって,本番でできるとは限りません。
できたりできなかったり,不安定な科目のイメージがありませんか?
実際,国語は相関係数が低く,模試でイマイチでも本番で9割取る人も多く,逆に模試で良かったのに本番は6割しか取れないみたいなことが起こりやすい。
これは2通りの解釈があって,とにかく相性の良い問題だと高得点で相性が悪いとダメというように,「運」に左右されると考えるのが1つ。
もう1つは,夏以降の勉強の仕方で,得点力が大きく変化する科目だという考え。
この考え方がわかりますか?
理科を見ましょう。
これをどう見ますか?
実は,理科は国語よりも相関係数が低い。
つまり,模試が良くてもあてにならず,模試が悪くても本番で高得点が可能な科目なのです。
実際,理科は後回しにしている受験生が多く,夏以降の勉強のやりようによって高得点になったり,模試がたまたま表面的な理解でできる問題だったからできたものの,本番のセンター試験は本質的な理解を問われるので,実はわかってなかったことが露呈するという内容なのです。
そういう観点で国語を見ると,模試で国語がたまたま良かった人は,国語の勉強を秋以降にやらなくなります。
一方,模試で悪かった人は,少しでも良くしようと頑張って問題演習をやったのかもしれません。
当然,本番で逆転が起こるというわけです。
自分の場合を振り返ると,国語こそ意識を変えることで大きく点数が変わる教科だと思います。
ウチの塾の生徒は,ちゃんと国語の演習をして試験に臨んで欲しいと思います。
それと,理科が今のところ全くできない人もあきらめる必要は全くないわけです。
ちゃんと1から本質的な理解をベースにした演習をやっていけば,なんとか本番で高得点に持っていけるし,そのつもりで必死に集中してやっていきましょう。
このように,相関の高い科目も低い科目も一緒くたにして合格可能性を論じることがナンセンスなのです。
いつも生徒にこう言います。
「合格可能性20%と言われた人の5人のうち4人はあきらめてしまうのだ。5人のうち1人だけがあきらめずに必死で頑張る。だから,あきらめずに頑張った人の合格可能性は100%(笑)」
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