[2016年9月8日]
ブロードバンド予備校さんが,大学の偏差値ランキング表をくれた。
東大・京大は70以上とか,
神戸大の文学部は65.0〜67.5とか,
立命館大の機械工は55.0〜57.4とか,
で,受験生は模試を受けたら,この偏差値という数値に直面するわけで,それによって合否可能性が判定されたりする。
大学入試だけでなく,中学や高校入試でも偏差値を元にして合否判定をされてしまう。
そして,それに皆さん一喜一憂されるわけだ。
ご苦労さんなことだ。
いや,これは,偏差値に意味がないと言っているのではない。
むしろ,偏差値にはちゃんとした意味があるのだ。
何がご苦労さんなのかというと,偏差値の意味を知らないのに,どうして一喜一憂できるのかという話だ。
今日は,初級編。
「偏差値は順位です。」
これがわかっていない人が多い。
簡単に,100人の集団があって,その中の順位で偏差値が決まる。
ちょっと,表計算ソフトで順位と偏差値の関係を計算してみた。
エクセルには標準偏差と母集団の中での位置を計算する関数があるので,それで100人の集団で正規分布している得点の偏差値と順位を出してみた。
超基本事項:偏差値50は真ん中。
100人のうち50番目の成績の人は偏差値50だ。
偏差値55の人は上から数えて31番目。
偏差値60の人は上から数えて16番目だからまあまあ上位だ。
偏差値65になると7番目となる。
偏差値70を超すのは2名しかいない。
注目すべきは,偏差値が5きざみで見ても,その偏差値帯に入っている人の人数が大きく違う点だ。
偏差値50〜55の人は20人近くいるのに,偏差値65〜70の人は5人しかいない。
よく,最近伸び悩んでますという話を聞くが,それは何を意味しているのか。
偏差値が伸びなくなったこと?
偏差値が高くなればなるほど,順位を上げるのが難しいということに気付かないといけない。
だって,レベルの高い人を抜かさないといけないのだから。
偏差値50の人が55になって20人ぬかす場合と,偏差値60から65になって10人ぬかすのとを比べたらいい。
どちらも偏差値は5上げるだけだ。同じやん!
60から65に順位を上げる方が人数少ない=楽勝やん!
んなわけないでしょっ!
なんだか順調に偏差値が上がっていた子を見ていて,上がらなくなったら,それがその子がサボりはじめたからとか,塾が悪いとか,学校のせいだとかにする親が多いのだが,そんなことは全くない。
成績が上がれば,やがて上がらなくなるのだ。
そんなあたりまえのことに気付かないで,模試の成績に一喜一憂する人が毎年何万人も発生しているのである。
ご苦労さんなことである。
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