[2016年10月31日]
活断層学会に行ってきました。
まあマニアックな学会ですが,日本で一番活断層に詳しい人の集まりです。
面白いのは,詳しい人が集まっても,意見が対立するのです。
どちらが正しいかわからないから?
うーん,微妙ですねぇ〜
と微妙な書き方・・・
たとえば,明らかに原発の下に活断層があっても,それを認めたくない人からすると,活断層がないことにする話が作られます。
それで,まともに調査すると,どう考えても活断層だったりします。
こういう場合,科学的にいくら正しくても,「はい,そうですね。原発の真下に活断層があります」とはならないのです。
「あなたが活断層だという根拠は,この地層が30万年前のものだということですが,私は50万年前のものだと思います。」
と言えば,活断層でなくなったりします。
(原発を作っていいか悪いかの境目が過去40万年に動いたかどうかなので)
すると,水かけ論になるので,のらりくらりと言い逃れているうちに自分たちの時代は終わって,後は知らんということになるのです。
そういうことを聞くと,原発が活断層の上に建っているから危ない。
すぐに原発をなくそう!などと言う人が現れますが,そいつも頭が悪いのです。
危ないという程度を他の要素と天秤にかけて判断するのが世の中の常識というものです。
原子力の話になると,そういう最低限の常識もなくなってしまうアホな人のことを
「放射脳」と呼びます。
↑
これ,究極の馬鹿にした言葉です。
そのリスクを心配する前に,あなた自動車に乗るのをやめたほうがいいですよ。
その食品食べない方がいいですよ。
その機械使わない方がいいですよ。
その薬なんかトンデモナイですよ。
命がいくつあっても足りないですよ。
今回の学会で面白かったのは,活断層の真上とか直近に建っているからといって危ないわけではないという発表があったこと。
たとえば,先日,私も熊本を見てきましたが,活断層のすぐ横の建物は,確かに倒壊していません。
←赤が活断層。直近の建物は補修はしているが倒壊していない。
そうなのです。断層のすぐ近くだから揺れが最大とも限らないし,揺れが小さくてもどこかの国のように耐震性が無ければ建物は崩れます。
揺れの強い場所と危険な場所と活断層の場所は全く別の話なんです。
活断層から離れていても,地盤の弱いところはかなり揺れますし,高層ビルの階によっては激しくゆれます。
大きくゆれても丈夫な建物の中にいたら死ぬことはありません。
全く別の話なのに,それを混同してしまう世間の人やマスコミはおかしな議論をしがちです。
そして,わざと論点をずらして自分の所属団体に利益を誘導する勢力などもタチが悪い。
ぜひ,今書いたことを参考に,自分の頭で何が大切か考えてみてください。
すると,原発の下に活断層があるかどうかよりも大切なことが見えてきます。
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