[2016年12月13日]
それで,ホンモノの読解力がついていたとして,大学入試の問題を解くとスラスラ解けるかというと,また別問題だったりする。
およそ筆者の言いたいことは理解し,自分で納得する力もあるのに,どういうわけかテストの点数に反映しないのだ。
どうしてだろう?
典型的だったのがおそらく私。
本も読んでいるし語彙力も普通にはある。
なのに正解と思って選んだら間違うのだ。
それを解決してくれたのが高校3年生の時の国語の先生。
その先生のおかげで今までの疑問が氷解したのだ。
要するに,「筆者の言いたいこと」を答えようとしていたのが間違いの元だったのだ。
筆者の言いたいことは,たしかにあるのだろう。
しかし,そんなものは筆者にしかわからない。
問題を作っているのは筆者ではないのだ。
つまり,問題を作って解答を用意しているのは出題者であって,筆者ではない。
出題者が選んで欲しい解答を選ぶという発想で選択肢を見ないといけなかったのだ。
発想を変えるだけで,正解率が格段に上がった。
そういう生徒も多いのだ。
すると,入試問題はちゃんと読解力があるかどうかを問うているのか疑問が生じる。
実は入試の現代文は出題者の論理を理解できるかどうかにかかっているのだ。
こういう現状を考えると,本当の読解力を見るには小論文という形式でちゃんと書かせるのがよいとなる。
教育大学の受験指導をしていると,小論文を書かせる大学が非常に多いことに気付く。
これは,そうすることが実は最もよく学力を把握できるのだと,教育の専門家が一番よくわかっていて,自ずからそれを証明しているのだともいえるのではないだろうか。
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