[2017年2月28日]
国公立大学の前期日程が終わり,各大学の出題した内容をボチボチ見ています。
まず,最初に見てしまうのは,やはり「地学」ですね。
たとえば,今年の東大では「重力波」が取り上げられました。
アインシュタインが存在を予言していたものの,検出は無理だろうと言われていた重力波。
それが昨年検出されたというのがニュースになりました。
それが早速入試問題に反映されたのです。
もちろん,入試問題は大学の先生方が作成します。
そして,だいたい前年の春から夏に作成するものでしょう。
ちょうどその時期に話題になっている事柄が試験のネタになったということでしょう。
実際は,そういう最新ネタを入試問題に使うのは勇気が必要です。
あとで精査したら,その学説が間違っていたとかもあり得ます。
学会でまだ議論が続いているような内容だと怖いですね。
しかし,それでもあえて出題するのは大学の先生からのメッセージだと受け止めてください。
大学というのは,そういう最新の内容をやるのだということなのです。
特に自然科学というのは日進月歩です。
高校生は,学校の教科書に書かれている内容だけでなく,それが最新の科学にどうつながるのかを意識して勉強して欲しいわけです。
京大はどうでしょう。
こちらも昨年の4月に発生した熊本地震が出てきます。
被災者が多い,このような事象も実は扱いにくいものです。
ひょっとすると熊本から受験に来る生徒もいるかもしれません。
そういう文言だけで,少々動揺する可能性もなくはありません。
ですから,さすがに東北の震災後1〜2年は出題する大学もなかったように思います。
ですが,京都大学も新しい題材で入試問題は構成されるべきだと考えているわけです。
学校で今学んでいることは,過去の事象について書かれた教科書内容です。
ですが,常にそれは現在の世の中につながっているという点を忘れずに勉強して欲しいと思います。
それが大学から入試問題を通して伝えたい受験生へのメッセージなのです。
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