[2017年4月6日]
100万回書いても理解してもらえないようだが,あえてもう一度書いておく。
一番多い進路の間違え方は,
「英語を生かした仕事に就きたいので,外国語学部志望です!」
というパターン。
最近は,こんなのも多い。
「英語を生かしたいので国際なんちゃら学部志望です!!」
ああ,そうですかって感じ。
その,生かすっていうからには,さぞかし英語が世界一優秀なのでしょうね。
もう,その頭の悪い,短絡的な,安直な,思考停止の発想をやめましょう。
英語を生かした仕事をするには,外国語学部に行く必要も国際なんちゃら学部に行く必要も全くありません。
どうしてわかんないのかな?
たとえば,その英語を生かせるほど堪能な人に,
「輝石の不混和現象を地質温度計に使う場合の注意点を聞きたいので,通訳してください」とお願いしたらやってくれるのでしょうか?
そんな人を介するより,私なら自分で聞きます。
おわかりでしょうか。
英語が堪能って,役に立たないのです。
そうではなく,自分の専門分野がしっかりとあって,それで英語もできる人は英語の能力を役立てることができるのです。
英語がちょっと得意かもしれないとか,国際舞台で活躍したいと思っている人は,そりゃ英語をしっかり勉強したらいいですが,専門となる何かを学ぶところが大学なのです。
大学は英語なんかを学ぶところではありません。
ってか,その英語を学ぶめずらしい学部が外国語学部だったりするのでしょう。
塾で英語を教えるようになって,何度聞いたことでしょう。
「英語を生かしたい」
それで,私自身の高校生の頃を客観的に見る方法はありませんが,たぶんですが,その英語を生かしたいと言ってる生徒よりは英語ができていたと思います。
高2の冬に,1年後に受けるであろう共通一次試験(今のセンター試験の前身)を解いてみたら8割くらいあったと記憶しているのです。
それもそうですし,そういうマーク式の試験で測られるような英語力以外に,たとえばちゃんと発音できるとかの力もあっただろうから,相当英語ができる部類の高校生だったはずです。
今は塾で英語を教えています。
そのへんの英語の教員よりはまともな英語を教えられているような気もします。
その程度には中高生の頃から英語はできていたのです。
でも,英語を生かして外国語学部に行こうなんて微塵も思いませんでした。
大学で何かを学んだり,これからの世の中,英語ができて損はないわけで,そういう時に役立つように英語を勉強していただけだからです。
実際,大学では英語の論文を複数渡されて,次のゼミで内容を発表しなさいとか言われるわけです。
そうすることで,学問を身に着けていくわけですから,英語は単なる道具です。
そうして得た知識を元に,私の場合などはサイエンスの知識や手法が身に着き,それを武器として気象予報士をしたり予備校で教えたりもできるわけです。
お願いですから,高校生諸君。
その程度の英語力で「英語を生かした仕事」に就こうとして外国語学部や国際なんちゃらに行こうと思わないでください。
世の中,もっと英語が堪能で,専門知識をしっかりと持っている人がたくさんいます。
英語を武器にしても到底太刀打ちできません。
まっとうに経済学を勉強するとか法学をやってそういう専門を武器にした方がよいと思います。
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