[2017年6月4日]
別冊宝島
就職に強い大学ってあるのだろうか?
よく,あの大学は就職がいいとか,あの学部は就職が悪いとかいうが,どうなのか?
実際のところ,本当は大学で就職がいいとか悪いとかはないと言ってよいだろう。
どの大学であっても,どの会社にでも入れる。
ただ,大学受験の難易度が高いところに入学した学生は,いろいろな能力が高いのだ。
だから,有名難関大学の方が就職のときに採用される確率が高いのだといえる。
特に気をつけたいのは,早慶をはじめとする私立大の就職の「良さ」だ。
この本もそうだが,就職した「人数」でランクづけしている。
しかし,本当にその会社や業界を目指している人の何割が採用されたかなど,「率」の方が知りたい情報だろう。
一般に私立大の方が国公立大よりも学生数が多いのだ。
私立卒の人数が4倍いるのに,採用数が2倍しかなければどちらがよいかわからないではないか。
それもあるし,たとえば東大卒で商社に入ろうと思えばたいていは入れるが,官僚になろうと思う人が多くて,商社志望が少なければ,人数ではおのずと早慶の方が多くなる。
早慶と比較してもよいのはMARCHとかの私立大学群だろう。
また,関西の関関同立ともまともに比べられない。
やはり,わざわざ関東の会社に行こうとは思わない層が確実にいるからだ。
では,関関同立と産近甲龍ではどうか。
これも,大学の名前で差がついているのではないのだ。
実力があればどの会社にでも入ることができる。
ただ,採用試験という試験に合格する力と,入試で大学に合格する力で共通の能力というのがあって,それを発揮する確率の差が採用数の差に表れたりする。
就職で必要な能力は学力だけではない。
だが,受験でしっかりとつけた学力がないと就職には不利なので,大学の名前が就職に強いとか弱いとかに見えてしまうにすぎない。
にほんブログ村
にほんブログ村