[2017年11月19日]
今月の大学への数学は「実戦力を鍛える」
数学の基本的な手法は身に付いているとしても,実戦で使えないと意味がありません。
実際の入試では複数の分野にまたがる内容だったり,特定の分野に分類できないような問題も出題されます。
このパターンはこう解くというような勉強の仕方では太刀打ちできなかったりします。
この雑誌はそういった,数学の鍛錬をするのに好適なのですが,それとは別にいろいろなコラムや記事がとても役に立ちます。
今回目に留まったのは名古屋大の医学部に合格した人の体験記。
「数学を制する者は受験を制する」と一般的に言われるのでしょうか。
しかし,この人は数学が大の得意科目だったのに現役合格できなかったそうです。
もちろん,医学部ですから数学だけできても合格は無理です。
結局,全教科のバランスも大切ということです。
特に,よく自分で分析できていると感心したのが,入試がカンタンすぎると差がつかないという点。
数学が大得意で100点取ったとしても,不得意な人も90点取れるような試験だと差がつきません。
逆もあります。
数学が得意な人が30点で,不得意な人が10点という試験をされても20点しか差がつきません。
普通に得意な人が80点で不得意な人が30点となれば,差が50点もつくわけです。
つまり,得意な科目があれば,その科目で差をつけるチャンスがありますが,試験の難易度は時の運です。
意外にその得意科目で差をつけることができない場合もあるということです。
実際,昨年度の大阪府立高校入試でこのような問題が生じました。
つまり,数学の問題が難しすぎたのです。
これでは数学の得意な人は圧倒的に不利です。
逆に,数学が苦手だった人は数学が致命傷にならずに合格できたはず。
今回,数学の作問者はアホとしか言いようがないですね。
難問にしすぎると数学のできる人が不利になって,できない人が有利になると,どうしてわからなかったのでしょうか。
今年は少しカンタンになるのではないでしょうかね。
入試問題はその時によって難易度が変わります。
科目によって得意と不得意の差がありすぎると,たまたま有利になる場合もあるでしょうが,不利になる場合もあります。
そう考えると,極端に得意な科目をつくるよりも全体のレベルを上げておく方が安全ではあります。
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