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尾崎塾
富田教室

[2018年1月9日]

阪大の追加合格について

いやあ,えらいことです。

阪大の入試でミスがあって,30名も追加合格。

しかも,この時期です。

例年いくつかの大学で出題ミスがありますが,たいていは3月とか4月までに判明して,すぐに謝罪会見ですね。

今回は,度重なる指摘があったにもかかわらず翌年にずれ込むという前代未聞の事態になりました。

で,テレビの報道を見ていると,全くおかしなコメントをしている場合があります。

そりゃ,マスコミの人はそもそもの問題がどのように間違っていたか,物理がわからないから何も本質的なことが指摘できていないのです。

今回の件は,採点ミスというのでも隠ぺい体質とかでもないと思います。

そもそものミスは,答が2通り出せてしまう可能性があったことです。

報道では答が3通りとか書いてありますが,実質2通りです。

そして,その一方が正しい答で,一方は間違った答なのです。

それで,阪大は間違った答を正答として採点したわけです。

採点ミスというより,最初から正答が誤答だったという・・・

テレビの報道では出題内容について一切コメントがありません。

テレビ局のスタッフは文系連中がほとんどで物理が全くわからないからです。

いつもマトハズレだと思っている尾木ママなど,恥ずかしくないのかな?
あの人,絶対に問題解いてませんよね。
なのに出題ミスについてコメントできるんでしょうか?

出題者が何をミスしたかわからない人がコメントしているのを報道するという,マスコミのダメな部分が今回の件でもよくわかります。

何をミスしたかというと,音が反射するときに,疎密が反転すると思って作問してしまったということです。

音は圧力変化が伝わっていきます。
疎密波ともいいます。

高校の教科書には,波は壁にぶつかると固定端反射といって,山と谷が反転すると書いてあります。

ですが,疎密は反転しません。

そこをよくわからずに作問してしまったようなのです。

これを初歩的なミスと言えるかどうか,そこは議論が必要だと思います。

音波が専門でない先生がそこまで理解できていたかどうか。

実際,河合塾の解答速報では阪大が正答とした,実は誤答を答えてしまっています。
受験生の思い込んでいる固定端反射という考え方で解いたのでしょう。
駿台は正しい答を出しています。

河合
img1
駿台
img2

後に河合塾の先生も誤答に気付いて,駿台の出した答えが正しいということになりました。
それで阪大にミスを指摘したのです。

問題なのは,その指摘を受けて阪大が調べた結果,作問ミスが見つからなかったことです。

こんなの,出題者に聞いてもミスは見つかりっこないです。
本人はそう思い込んで作問したのですから。

つまり,隠ぺいしたとかではなく,音波の反射がちゃんとわかる先生に確認しなかった点が最大のミスといえるでしょうね。


このような出題の度に思うのですが,全員に得点を与えておしまいというのが通例のようです。

それっておかしいですよね。

その設問について,散々悩んだ人は,相当に時間を浪費したはずです。

一方,全然わからないのでさっさと他の問題を解いて得点を伸ばした人もいたはずです。

全員に得点を与えたところで不公平感は払しょくされません。

さらに,間違った答を書いたのに得点をもらっていた合格者がいたわけです。

それで合格してしまった何人かには改めて不合格通知を出さないの?


ですから,このようなミスはあってはならないのです。

唯一,不公平感の生じない解決方法があります。

それは,正解と採点内容を公表しない。

これに限ります!

へたに正答を公表しないのが最良の対応です。

10年前に神戸大でも音の聞こえ方について2通り考えられる問題が出ました。
採点の内容が不明なので,うやむやになりました。

ちょうど昨春,京大でも同様の問題が出ました。
これも駿台と河合塾で解答速報の答が異なっています。
たぶん,駿台の答が正しいので,そのように採点されているとは思いますが,実際の中身は不明です。

入試の採点内容は完全に闇の中というのが平和でよろしいということです。


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