[2018年9月1日]
関関同立の一角である関西大学。
多くの高校生の「行きたい大学」ではあると思います。
で,多くの保護者からしても「行かせたい大学」だったりもします。
今回は関大系の高校について。
昔から関西大学には関西大学第一高等学校という付属校があります。
さらにその下には第一中学校があるわけです。
第一があって第二がないというのはツッコまないとして,近年になっていろいろと動きが出てきました。
一つは高槻に関西大学高等部というのを作りました。
ここにも中等部を設けて,さらには小学校も。
当然のことながら,小中学生に大学の話をしてもピンときません。
ですが,親御さんとしては,できれば関大レベルの大学に行って欲しい。
すると,小中学校で関大系列のところに行かせれば,そのままエスカレーターに乗って大学に入れるわけで,安心ですね。
この関大高等部は,さらに上位層も視野に入れて,関大進学だけでなく上位の国公立大学への進学も力を入れています。
「悪くても関大」というイメージになっています。
一方,どういうわけか,それまでスポーツばかりやってた男子校である北陽高校を併設校とし,共学の関大北陽高校としてスタートしました。
かなり頭の悪い学校というイメージの北陽から関大へ行けるというので,最初はみんな半信半疑でしたね。
ですが,関大に行けるとなれば,そこそこ優秀な生徒も集まりはじめていて,今では最上位の生徒は関大を通り越して阪大や神大に行くようにもなりました。
めでたしめでたし。
となればよかったのですが,今年に事件が起こりましたね。
なんと,関大内部進学をめざす関大北陽の生徒が,ネットで正解をあらかじめ入手して模試を受けていたのです。
模試がどうして関係あるかというと,ようするに学力が低い生徒を大学側は嫌うので,ある程度模試の成績を取らないと受け入れてもらえないのです。
特に,頭が悪いと評判の北陽高校から,誰でも関大に入れるとなれば,大学で落ちこぼれるのが必至です。
だから,外部模試で偏差値55くらい取らないと入れないと脅されるわけです。
そういうわけで,北陽から関大に入るには模試の成績をクリアするのが必須条件となっています。
そして,それがご丁寧に学校パンフにも明記されていたりします。
これには驚きました。
普通,指定校推薦や内部進学の選考基準は細かく公表しないものなのです。
ですが,北陽に限って言えば,実力がなかったら進学できないということを生徒・保護者に徹底しなければならないという事情があったのですね。
おもしろいのは,このパンフレット,模試事件が起こった後に入手したのに,外部模試を選考過程に入れると明記したままなんです。
このあたり,対応が間に合っていないという脇の甘さが見られます。
だって,高校としてはすでに外部模試は使わないと決めたようなのです。
なのに,新年度受験生が手にするパンフには外部模試を使うと明記したまま。
そういう無神経さが今回の事件の遠因ともいえるでしょう。
生徒にどのような情報を流せばどのような行動が予想されるか,ちょっと考えたらわかるのです。
同じように校内選考で関大進学する第一高等学校や関大高等部のパンフを見ても,選考過程で外部模試を使用するなどと一言も書いていません。
実際どのようにするか,学校のそのときの都合で変えられるようになっているのですよ。
ただ,さすがに関大高等部も外部模試は選考基準にしないとアナウンスされたようです。
おそらく第一高等学校もそうでしょうね。
このことで,内部進学する付属校の生徒と一般受験で入学する高学力の生徒との差が広がるのは間違いないでしょう。
関大北陽を併設校にした結果,他の付属校からの入学生の学力が下がるわけで,関大としては頭が痛いことになっています。
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