[2018年10月31日]
医学部ですと,昨日紹介したように,6年間で2000万円〜4000万円の学費がかかります。
一方,国公立大だと350万円と,かなり安くなります。
そういうわけで,国公立大だと払えるが,私立大だと学費が払えないという家も出てくるでしょう。
ところが,何としても医者になりたいという人の親の多くが医者だったりして,お金を持っています。
高額であっても払う人がいるわけです。
国公立大の医学部は,とにかくハイレベルです。
日本を代表するような頭の良い人こそが医者になって欲しいので,安い学費でよいので,ぜひしっかりと医学を学んでくださいという国民のメッセージが含まれています。
そういう意味で,国公立大は優秀な人こそ安い学費で学んで,しっかりと社会に貢献してくださいというのが本来の趣旨。
一方,私立大は国や自治体の世話になんかならないという気概のある人が行くところというのが本来です。
ですが,多くの私立大の実態は,国公立大に入れるほど優秀ではないけども,大卒の方がなんとなく就職がよさそうだという人が行くところになっています。
昨日見た「医学部に入る2019」に,国公立大医学部に向いている人という記事がありました。
笑ってしまいました。
だって,その条件の1つめは,
「センター試験で85%以上取れる人」だそうです。
要するに,普通に旧帝大に合格できるくらいの学力が必要ということです。
実は,85%というのはちょっと低すぎます。
たいてい,9割くらいは取らないと合格できないのが国公立大学医学部だと思って間違いないです。
これ,医学部に限らず,先ほどの本来の話を思い出してください。
優秀な人材に安く勉強してもらうのが趣旨です。
だから,国公立大学に向いている人は,世の中の人が税金を多く投入してでも大学で勉強してもらいたいくらい優秀な人です。
毎年書いていますが,国公立大に行きたいという生徒に理由を聞くとたいていこう答えます。
「学費が安いから」
・・・・全く合格しないレベルの人ほどこう答えます。
学費の心配をするよりも,自分の頭の心配をしなさい。
お金が足らないのではなく学力が足らないのですよ。
国公立大に合格する人は,学費が安いからその大学を志望しているのではありません。
ちゃんとハイレベルの勉強をして社会に貢献したいと願うから国公立大に行こうと思うわけです。
そういう志を持った優秀な人が多い大学で切磋琢磨して世の中に出て活躍しようと思うから,しっかりと学力をつける努力が継続できるのです。
そいうものです。
さらに,これも毎年書いていますが,合格させない親御さんのセリフも書いておきます。
「学費が安いから国公立大に行ってくれたら助かるなあ」
これを口に出した瞬間に,その受験は成功しませんし,意味がなくなります。
意味というのは,何のために大学に行くかという根本的な意味です。
何度でも書きますが,国公立大は,学費が安いという理由で行くところでは決してありません。
社会が受け入れてくれる程度に十分に優秀で将来の見込みがある学生が学ぶところなのです。
にほんブログ村
にほんブログ村