[2018年11月9日]
これは先日の物理の授業。
川の水が流れていて,そこで発生する波の問題。
ほとんどの生徒は苦戦していたのですが,ドップラー効果の問題と思えばよかったのです。
おそらく,音源や観測者が動くパターンのほかに,風が吹いている場合も演習したことがあるはず。
媒質が動いているときの考え方は同じですからね。
それで,風が吹いたらどうなるかをドップラー効果の授業でやる場合の定番の枕が,
先生「風が吹いたらどうなる?」
生徒「?」
先生「桶屋がもうかるに決まっとる!」
生徒「・・・」
という,微妙な空気・・・
つまり,生徒が「風が吹けば桶屋がもうかる」という言葉を知らなかったりするんです。
だから生徒の反応が薄いのなんの。
こういうところに,教養というか常識のレベルでいろいろ知ってるかどうかの差が出るんです。
ちなみに,どうして風が吹くと桶屋がもうかるか。
風が吹く→砂舞い上がる→目に入って失明→三味線弾く人が増える
これだけでも,かなり論理の飛躍がありますね。
三味線の皮は猫の皮→猫が捕獲されて減る→ねずみが増える
猫がねずみを食べるのはよいとして,
ねずみが増える→ねずみが桶をかじる→桶屋がもうかる
みたいな話です。
これと似ている話が気象分野に出てきます。
どうやら「ブラジルで蝶がはばたくと,テキサス州でトルネードが起こる」とか。
ほんの小さな空気の動きが,いろいろなところで影響して遠くの大きな現象の原因になりうるのだという説です。
たしかに,そういった部分が気象庁のスーパーコンピュータの予想にもあるのです。
コンピュータは元になるデータがないと計算できません。
ところが,そのデータがほんのわずかに誤差を含んでいると,計算結果がマチマチになるのです。
ですから,実際の天気予報は,データを少し誤差を含むと仮定して,少し蝶がはばたいた程度に変化させて,いくつかの予想を立てます。
その8割が雨で2割が晴れだったら降水確率80%みたいな話になるのです。
今日,気象庁が「エルニーニョを観測」と発表しました。
南米ペルー沖の海水温が高くなっているそうです。
すると,インドネシア付近で雨が減って,その影響で・・・・
桶屋がもうかる式に日本にも影響が出ます。
おそらくこの冬は暖冬になるようです。
にほんブログ村
にほんブログ村