[2018年12月1日]
文系にも数学をって言ってたら,ちょうど私立文系学部に行った卒塾生が2名,塾を訪ねてくれました。
一人は総合政策,もう一人は総合人文学部ですから文系です。
ですが,総合政策学部では数学の授業があるらしく,苦戦しています。
内容を聞くと「行列」をやっているとのこと。
この行列というのは,現行課程では高校で学びません。
非常に役に立つのに高校で学ばないなんて,もったいないと思っています。
おそらく政策決定には多変量の解析が不可欠ですから,行列を学ぶのは当然といえば当然です。
文系学部でも使うし,もちろん理系に進んでも使うわけですから,ぜひ高校課程にもどして欲しいものです。
具体的にどんなイメージか。
これは私の名前が入っている論文ですが,岩石の成分の解析データです。
縦横に数字が並んでいますが,このような数字の行列は連立方程式を解くために使用します。
人間の手計算でやると不可能な多元計算がコンピュータを使うとあっと言う間にできちゃいます。
その計算プログラムに行列を使っています。
まあ,何のことかわからないでしょうが,行列を勉強するとわかると思います。
実は,この岩石学の計算をするまで,行列を役立てた経験はありませんでした。
ところが,たしか30歳をすぎてからです,この行列を使ったのは。
高校生や大学でやった行列は,一応勉強しておいたのです。
それは,いつか役に立つかもしれないから。
実際,役に立ったわけで,勉強ってすぐに役立たなくても,やっておいて損はないものだという証拠です。
よくアホな評論家めいた人が足し算,引き算,かけ算,割り算だけで十分だとかホザいてますが,かわいそうな人です。
もっと便利なことを先人が考えついてくれているのですから,それを学んで,どこかで役立てるのがおいしいのです。
そんな感覚で,何でもどんどん学ぶ姿勢を持っておきましょう。
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