[2018年12月7日]
昨日の化学の授業で扱ったのが「律速段階」。
化学反応の速さというのは,一般的に反応物の濃度で決まるのですが,化学反応式の係数から予想されるとおりにならない場合もあります。
それは,化学反応が多段階なので,最初に速く反応が進行しても,どこかで遅い部分があれば全体が遅くなってしまうからです。
一番遅いところの速度が全体の速度を決めるので,その段階を律速段階と呼んでいます。
ある人が百貨店にお歳暮を注文して,品物が相手に届く過程を考えましょう。
思い立ったその時にすぐに電話をして,電話を受けた百貨店の担当者がすぐに配送の手配をしました。
ここまで5分です。
ところが,配送業者は人手が足りず,配達する人が確保できたのが3日後でした。
そこから1日かけて配達されて,相手に届いたのは4日後というわけです。
この場合,いくら最初に急いで処理しても,人を確保するための3日の影響が非常に大きくなるわけです。
世の中,このように,一番足を引っ張る過程がどんな場面でも生じます。
入試問題は時間との戦いだったりします。
計算はめちゃくちゃ速いのに時間が足りない人がいた場合,問題文を読んで理解するのがめちゃくちゃ遅いのかもしれません。
読んで理解するのは速いのに,書くのが非常に遅いのかもしれません。
一番スピードが遅く,足を引っ張っているところを改善すると,入試の時間の使い方が楽になったりしそうです。
実は,改善すべき一番有効な段階が律速段階なのです。
律速段階を見付け,それを改善するのが有効なので,ビジネスの世界でもよくこの言葉は使われています。
そういう観点で,何でも見直してみたらよいと思いますよ。
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ブログを書く律速段階は,何のネタを書くか考える時間だったりする。
律速段階を助けてくれた律速段階に感謝。