[2019年5月17日]
かつて,「数学は暗記だ!」という本が出版され,物議を醸しました。
一般には,数学は暗記科目ではなく「考える」科目とされています。
そこへ「暗記だ!」と切り込んだので世間の人はびっくりしたのです。
しかし,数学が苦手と思っていた私などには「そりゃそうやん!」という内容です。
むしろ,数学から暗記を引き去ったら何も残らないのでは?
まず,サイン・コサイン・タンジェントなど聞きなれないような関数の定義は覚えるしかありません。
理科もそうですが,定義は暗記する以外ないのです。
さらに,いわゆる公式の類は覚えて使うものです。
解の公式を覚えずに入学試験を受ける人っていますか?
先日も生徒に言いましたが,シグマの公式も導けるようにはした方がいいですが,まずは覚えて使えるようにするのが得策でしょう。
その上で,公式の導出・証明ができるように練習するのがよいわけです。
いつも導くように練習していれば,覚えなくてもよいと指導する人がいます。
だいたい,そういう人は試験に弱いです。
試験というのは制限時間というのがあるので,時間を短縮できるところは極力短縮しないと時間切れで点数が低くなる場合があります。
もう一つ重要な暗記事項があります。
それは「解法の暗記」ですね。
最大値を求めるには,このように式変形するとか,典型的な解き方は覚えておくのです。
漸化式なども,式の形によって,こうやったら解けるというのを覚えます。
数学?の積分計算なども,暗記しないで考えて解くと10年くらいかかりそうなものがあります。
数学って,基本的にはすべて先人が見つけてくれた解き方をありがたくパクらせていただいて使う科目です。
ほぼ100%覚えて使う科目です。
ではなぜ「考える科目」という誤解が生じるのか?
わかりません(←わからんのかいっ)
たぶんですが,私などは解き方を自分で編み出したことがありません。
そして,数学が苦手と思っていました。
解き方を覚えるしかないのです。
でも,世間では解き方を覚えているというのはダメなやり方。
ええかっこしいの私などは,極力それを悟られないように・・・
あたかも自分で考えたかのように,覚えている解法で解くわけです。
それを見ていた人は,私が「考えて正解した」と思うわけで・・・
そんな感じではないでしょうか。
数学が苦手だと感じているみなさん。
安心して解法を暗記しましょう。
実はそれが最も普通のやり方で,なおかつ試験にも強い方法なのですから。
ただし,言うほどカンタンには覚えられませんよね。
実は,地道にコツコツとていねいに公式や解法の意味を考えて演習する必要があります。
普段は泥くさく,ていねいに時間をかけて,繰り返し演習します。
最終的に,そうやって身に着けた解法を試験で使えるようになるというイメージです。
覚えるだけ=カンタン
ではなく,
覚えないといけない=めんどくさい
というのが数学の正しいイメージですね。
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