[2019年5月30日]
では,別系統の考えを実践すると,どのようになるか。
数学の例でいきましょうか。
ウチの塾は講義をしないことで有名?ですが,たまに講義形式の授業があります。
その時,何を講義しているのか。
それは,まさに「別系統」の考え方だったりします。
もちろん,「学校ではこのようには説明しないだろーなー」という解説を聞けるだけで学校とは別系統の学びがあると思います。
それだけでなく,自分の中に別系統の自分を作る練習になるのです。
試験では,答案を自ら作成して解答しなければなりません。
そして,その答が正しいかどうか,不安になるのです。
ですが,試験中にその答が少なくとも間違っているということが判明したら,修正することができるかもしれません。
具体的には,新幹線の速さを求める問題を解いたとしましょう。
「み・は・じ」だか「き・は・じ」だか知りませんが,計算したら時速2000キロとなった場合,どうしますか?
どういうわけか,検算もせずにそのまま答の欄に書いてしまう生徒が非常に多いのです。
ウチの塾の授業では,いつも計算した答が妥当かどうか別の方法で吟味するように指導します。
この新幹線の速さの場合,常識的に時速200キロなら妥当です。
2000キロだと音速を超えちゃいます。
新幹線の速さが時速2000キロにならないのは,試験で計算した頭の回路とは全く別系統の,普段の常識という系統から導かれたものです。
だから,それらが食い違うというのは,どちらかが間違っているということになります。
(常識のない人にとっては,どちらも間違っている可能性もありますが・・・)
これ,別系統の用意がない生徒に検算させると,同じ計算をもう一度同じようにミスすることがあります。
変に思い込んでしまって,その日は何度やっても計算が合わなかったりするのです。
同じ壊れた思考回路で同じミスをする検算ほど時間の無駄はありません。
答の検討は,ぜひ別回路でするべきなのです。
先日高校生に行った数学の授業で強調したのは,ベクトルの解き方。
数式や公式を駆使して答を出して,そのままの生徒が多いからです。
ベクトルは別系統の答がすぐに出せます。
図を描けばよいのです。
図から導かれる答と計算による答が一致すれば,きっと正しい答だと確信できるわけです。
この,別系統の検算を習慣づけると,試験に強い数学力がついていくのです。
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