[2019年7月5日]
昨日書いた内容,理解いただけましたか?
べつに,特定の政党を悪く言うつもりはなく,教育政策の大間違いを多くの人が気づくべきだから書いています。
大阪府は,公立と私学の関係が無茶苦茶なのです。
教育委員会もグルです。
ご存知のように,大阪府民の多くは「公立志向」です。
だから,私立高校に行く理由は基本的にはありません。
たとえば,超優秀な人が男子校の星光学院とか女子校の四天王寺とかに行くケースはあるでしょう。
野球で甲子園をめざす人が大阪桐蔭や履正社に行くのもありです。
内部進学目当てで関大系の高校という手もあります。
ですが,ほとんどの生徒は私学に行く理由がありません。
これを見てください。
今春の募集定員とクラス数の表です。
これ,毎年11月に発表されますが,毎年コロコロ変わります。
意味不明です。
だいたい,春にアンケートとって,志願が多そうな学校の定員を多くして,人気ないところの定員を少なくしているようです。
全く意味不明です。
ってか,3年続けて定員割れしたら廃校とか,これも維新がやらせたルールですが,それの対策?です。
不人気高校が2年続けて定員割れしたら,定員を少なくすればなんとか1.01倍とかになってセーフ?
そういう操作に使われています。
完全に公立高校という意義を見失っています。
たとえば,池田北高校は閉校してしまいました。
ちょっと池田の山に入ったところで,その付近の生徒は地元の高校がなくなってしまったのです。
少々,人数が少なくても,地域に1つは公立高校を残すべきです。
少子化で生徒数が減っているのは事実です。
ですが,大阪はおかしなことに,公立高校の定員と私立高校の定員を「談合」して決めています。
普通に考えて,公立高校に行きたい人が圧倒的に多いのですが,募集定員は65:35くらいにしています。
たぶん,80:20にしても公立高校が埋まります。
ここで私学無償化の話,何が問題かわかりますか?
そもそも,高校へ行きたいのに,お金がなくて行けないとかわいそうという話。
じゃあ,無償化した公立高校に行けばいいのです。
公立高校に行きたい人が多いのですから,定員をもっと増やして,希望すれば公立高校に行けるようにすればいいのです。
私立は,特にその高校に行きたい理由のある人だけがお金を払って行けばいいのです。
それで,人気のある公立高校の定員を少なくする理由がわかりません。(わかってますが,あとで書きます)
たとえば,北野高校は今年320名募集でしたが,29年度は360名でした。
三島高校も人気ですが,28年度は400名でした。
実は,上位校の多くはあと1クラスや2クラス多く入学させてもよいのです。
教室数も余裕ありますし,教員はちゃんと給料を払えばいくらでも来てくれます。
その本来公立高校に合格させてあげられる生徒が不合格になって,やる気のない私立高校へ行くはめになるのが今の状況。
税金を公立高校に投入して,公立高校の定員と教員の給料を増やしたら,行きたかった公立高校に行ける生徒が増えるのです。
どうして,その大切な税金を,私立高校の教員の給料に使うのですか?
おかしいでしょ?
しかも,そうすることで,かえって私立高校の教員はやる気をなくして公務員化するという負の連鎖。
みなさん,このことに気づいてください!
理由は,歴史的背景がありまして,
大阪府の教育は,かつて生徒数が増えて,本当に公立高校に入りきらない時期があったのです。
その時,府教委が私立高校に「一生のお願い」をしました。
なんとか全員が高校生になれるように,私立である程度の人数を受け持って欲しいと。
そして,私立は無理矢理校舎を拡大するなどして,あふれた生徒を吸収することをやったのです。
なんとか,全員高校生になることができました。
その恩義があるので,今になって生徒数が減ったから私立は勝手に倒産してくださいとは言えないのです。
一定の割合で,生徒を私立高校に配分できるように,生徒数が減るのに応じて公立高校の定員をどんどん減らしているのです。
その結果,本来はつぶれても仕方ない私立高校の存続のために,行けるはずの生徒が公立高校に行けない事態に。
本来,公立高校に使われるべき税金が,つぶれても仕方ない私立高校に分配されるのが「私立無償化」の中身なのです。
過去の「一生のお願い」の恩義はもう十分ではないでしょうか。
大阪府民がこのことに気づいてNOと言えば,税金が本来の使われ方になると思います。
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