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尾崎塾
富田教室

[2020年5月3日]

石ころは語る2

この岩石はどうでしょう。

img1
赤っぽくて線状の構造が見えます。

これ,片理構造といって,地下の高圧条件で鉱物が引き伸ばされたことがわかります。

昨日,付加体の話が出ましたが,その堆積物や海洋地殻がプレートの沈み込みに伴って深いところに行くと高圧の変成作用を受けるのです。

こうやってできた岩石を結晶片岩といいます。

結晶片岩の鉱物の種類や組合せからどんな温度・圧力だったかが逆算できます。

ちょうど,ゆで卵を見たら,その卵が高温を経験したことがわかりますよね。

さらに,半熟だったら,その経過時間が何分とか,だいたい見当がつきます。

そのような手法で,地下のどのような場所で何が起こったかを推定するのが変成岩岩石学のおもしろいところです。

一般に,結晶片岩は緑色や黒色のものが多いですが,この写真のはピンク色。

これは紅簾石というマンガンを多く含む鉱物が入っているから。

実は,明治20年までは見つかっていなかったのですが,徳島の眉山ではじめて発見されました。

いわば,「新型」ですね。

新型といっても,結晶片岩なので,基本的な性質は緑色のものと大差ありません。

こういうのって,今のコロナウィルスと同じなのですよ。

新型でも旧型と同じなのだから,従来どおりの対処法で何も問題がない。

世の中の大人たちがちゃんと理科や数学を勉強していなかったから,今回のような騒動になっています。

このブログを読んでいる若者諸君は,まともに理科や数学の観点から判断できる人間になれるよう,勉強に励んでください。




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