[2020年7月4日]
熊本がえらいことになっていますね。
これは,梅雨前線による豪雨です。
天気図を見ると,まあ,典型的な梅雨の豪雨。
この天気図,教科書に載せたいくらい典型的なので,気象予報士試験を受験する人はぜひ記録を残しておきましょう。
日本の南東にあるのが太平洋高気圧。
その北にあるのがオホーツク高気圧。
2つの高気圧の境界に梅雨前線があります。
だいたい,関東ではこの両者のせめぎあいが梅雨前線なのですが,西日本では少し様子が違います。
どちらかというと,西日本では太平洋高気圧を時計回りに回って南西からくる風が大陸方面の風にぶつかって,その境界が梅雨前線となるのです。
南西から吹き込む風は,もちろん暖かい海を通ってくるので,湿気を多く含んでいます。
だから,その水がどんどん雨となって降るわけで,西日本の梅雨前線の方が今回のような豪雨をもたらしやすいともいえます。
そういう意味で,典型的な梅雨の豪雨です。
ですから,これもあらかじめ想定されている範囲の話。
ですが,今回も逃げ遅れて多くの方が亡くなっているようです。
勝手な想像ですが,熊本では新型コロナウイルスの感染の心配などほとんどなかったはずです。
なのに,多くの人がマスクを着用して,感染に対してピリピリしていたのではないでしょうか?
そんなほとんどリスクのないことを異常に心配しているヒマがあったら,梅雨の時期なのですから豪雨の心配を大げさなくらいしておいた方がよかったのに。
これが私の言いたいことです。
全国の自治体の避難所設営などに携わるスタッフさん。
避難してきた人の「密」を心配するのではなく,逃げ遅れて「死」ぬ人が出ないように心配してください。
避難所の「密」で死ぬことは,おそらく全くないと思われます。
逃げ遅れて死ぬのは,ほぼ毎年繰り返される悲劇です。
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