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尾崎塾
富田教室

[2021年1月10日]

イラストレーターは必須アイテム

たとえば,今日だと,光電効果の問題をさせようと思い,過去の入試問題から最もよさげなものを選定した。

img2

そして,どういう説明が必要かを考えると,電位の様子を可視化してやるのがよいとなる。

問題文には装置の図があるのだが,説明には少し不向きな点があるので,生徒が演習しやすい図を描きなおすことにした。

そして描いた図がコレ

img1
もとの図とほぼ同じだが,電位の調節部分を長く見やすくして,色を塗りやすくした。

この図を使うと,いろいろ説明がしやすくなる。


だいたい,理科の授業をするときはこんな感じで,速攻板書して説明する場合もあるが,電子黒板を使うときなどはあらかじめ図を描いておく。

このような図を描くソフトで最も重宝するのがAdobeのイラストレーターだ。

プロがイラストを描くのに用いられるソフトで,まあまあの値段がするのだが,私のように理科を教えることが多い人には必須アイテムかもしれない。

必須アイテム?

そう,たしかに必須アイテムだと思うのだが,実際のところ,これを使っている教育関係者ってかなり少数だと思われる。

理由の一つは,ソフト自体がまあまあ高額だから,一般の学校の先生は少しためらうだろう。

ただ,ちゃんと生徒に見やすくわかりやすい図を示すには,やはり必須アイテムなのだ。

少々高額でも手に入れて使えるようにすべきだが,繰り返すが実際に使う教員は稀である。

根本的な理由は,そうまでして使いたいという意欲がないのだろう。


まあ,現状多くの教員は,やる気とお金がないのだから仕方ない。


昔,某私立学校に勤務していたときの話。

入試問題を学校教員が作成しており,問題に合わせた図も,当然描くことになる。

多くの先生には,ちゃんとした図を描く能力がないので,手書きの雑な図や,どこかの本の図をコピーして加筆したようなもので提出してくる。

これを,問題印刷業者にお金を払ってまともな図にしてもらうことをずっとやっていたのだ。

もちろん印刷業者はなるべく元の図のとおりに描こうと努力してくれるものの,やはり専門的知識がないので,間違った図ができあがることがある。

何度も修正してもらうことにもなり,お互い無駄な時間を過ごすことになる。

ところが,私が主任になって,他の先生が描いたヘタクソな図を,自腹購入のイラストレーターを使ってきれいに仕上げて入稿するようにした。

すると,図の間違いはなくなるし,文章校正にもっと時間を使えることにもなった。

考えるに,ちゃんとイラストレーターで図が描けない教員と,その教員が本来やるべき作図を代わりにやってあげる私とだと,私の給料の方が多くてもおかしくないはず。

なのに,実際はその先生方が年長なので給料が高いという,なんともおかしなことになっていたわけである。


学校って,万事がこのようになっている。

自己研鑽を怠り,文句ばかり言うような教員と,日々いろいろなことにチャレンジして能力を高めていく教員がいる。

前者は後者のはたらきの恩恵を受けている自覚すらなく,給料泥棒のまま定年退職まで過ごすのである。

(たぶん,どの業種でも同じでしょうが・・・)

今回,授業で描いたような図なら,ものの10分もあればできるのだが,まだイラストレーターを使ったことのない教員なら,1日かけても無理。

かなり使い込んで練習しないと難しいのだ。


このブログを読んでいる学校教員諸氏は,とりあえず何でもいいから能力向上のためにもっとお金を使ってみては?

自分に投資したお金は,やがて自分の授業力の向上につながり,生徒さんの学力アップに寄与していくことになるのですから。




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