[2021年1月25日]
この仕事をしていて,つくづく感じるのは,入試の直前になって学力を急に伸ばそうというのは無理だってこと。
なのに,なんとかそれを願って,祈って,日々を過ごす。
せっかくウチの塾を見つけてくれても,高3になって急に学力がつくわけないのだ。
もう少し正確に言うと,急に伸びたように見える生徒もたしかにいる。
けれども,それは実はもっと以前に学力のベースをつくっていたからこそできる芸当なのだ。
その最も重要な要因は「読書量」ではないだろうか。
学力が思うように伸びない生徒の読書量を,ちゃんと調べたことはないが,想像するに,ほとんどゼロに近いのでは?
現代文の授業などで,たまに「この本読んだことある?」などと聞くのだが,100人聞いても「あります!」という返事がない。
具体的にはどんな本を聞いたかというと,
伊豆の踊子とか,
カフカの変身とか,
三国志とか,
そういう有名なやつ。
これは時代のせいなのか?
我々の時代にはヒマつぶしには読書くらいしかなかったから?
そういう面もあるかもしれないが,それにしても読書していない生徒が多すぎる。
ちなみに,自分の実感として,読んだ本がすごく学力のベースになっている。
まず,小学生時代は百科事典を愛読していた。
これはあらゆる科目のベースになったに違いない。
特に,理科などは興味があったので,学校で習う前に知識だけはたくさん持っていた。
中学に入ると小説がおもしろいことに気付いた。
コナンドイルなど,推理小説をたくさん読んだ。
ホームズのように博学になりたいとも思った。
その他,中学時代は星新一などのSFもたくさん読んだ。
そして高校生になると電車通学という利点を生かして長編の小説も読むことができた。
パールバックの大地や三国志を読みながら通学していた。
相変わらずサイエンスものは好きで,ブルーバックスで相対論をかじったり,科学朝日という雑誌も読んでいた。
幕末の歴史小説も読んでいたので,日本史もそこだけ詳しかった。
学校の勉強で得た知識よりも,そういう読書でいろいろなことを知っているから,いざ大学入試でもたいして困ることはなかった気がする。
実際のところは,音楽などの芸術系は弱かったので,入試問題でカラヤンが出て来て読めなかったことは白状しておくが。
そういうわけで,高校3年生の諸君は手遅れかもしれないが,中高生諸君はもっと本を読まないといけない。
そこから学力の確固たるベースをつくって,それは必ず入試問題を解くような場面で役に立つ。
入試を山登りにたとえると,本を読まないで,いくら塾に通っても,六甲山を登る程度で息切れする。
しっかりとしたベース,足腰があれば富士山だって楽々登れるし,専門的なトレーニングを積めば(これが塾とか予備校かな?)エベレストも不可能ではない。
みたいなイメージかなあ・・・
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