[2021年3月26日]
日経新聞の記事だが,
教員の採用倍率が「危険水域」とのこと。
小学校教員の採用試験で,昨年度の倍率が2.7だったから。
2.7倍と聞くと,「えっ?べつに,いいじゃん」となりそうです。
大学入試でいうと,東大の理?の志願倍率がそれくらいだし・・・
大阪府立高校だと,春日丘高校が1.7倍で,今年も難しいねー・・・
何がキケンスイイキなの?
東大の場合,優秀な人間の中から特に優秀な人を選ぶことになる。
春日丘高校だってそうだ。
ところが,教員採用試験は教員免許取得(見込)者なら誰でも受けられる。
賢いのとアホが混ざった集団のうち,賢い人を選びたい場合,困ったことになる。
100人受験して25人合格する(倍率4倍)としましょう。
賢いのが20人しかいない場合,倍率4倍でも5人は学力がイマイチな人間を採用することになる。
大丈夫ですか?
さらに,倍率5倍で,全員,一応賢い人ばかり採用したとします。
でも,小学校教員って,学力が一番重要な要素ではないです。
おそらく学力上位20人のうち半分は不適格でしょう。
(感覚的にはもっと・・・15人くらい不適格かも・・・)
だから,教員採用試験では,小論文や面接があって,教員の適正を試験するのです。
つまり,倍率3倍とか4倍だと,最低限必要な学力をもつ人のみ採用となります。
教員に必要なのはもっと他の力量なのに,それがない人がどんどん教員になる可能性が高いのです。
実は,もっと恐ろしい事実が・・・
東大って,1年に1回しか受けられませんね。
高校入試もそうです。
大阪府民は大阪府立高校しか受けられず,基本的には1回だけのチャンスです。
ところが,教員採用試験は複数の府県を受けてもいいのです。
大阪府も兵庫県も奈良県も受ける人がいるのです。
全国の平均倍率が3倍であっても,平均して2つの都道府県を受けるとしたら,実質1.5倍という・・・
さらに,さらに,大学や高校入試と違うのは,多浪生がたくさんいること。
多浪生とは,毎年受けるけど落ちる人ですね。
その人,そもそも,大丈夫ですか?
でも,そんな人でも,倍率が3倍を切ってくれば,合格にせざるをえないのです。
新聞記事にもありますが,40人のクラスを35人に減らして,クラス増になる傾向があります。
これだけ教員になろうという人が減り,能力のある人も減っているのに,教員を増やすだって?
文科省のやろうとしていることの意味がほんとうにわかりません。
やるべきは,優秀な教員を養成して,その人に多くの児童・生徒を任せたらいいのです。
教員に向いてない人は35人でも25人でも,全く掌握できないのです。
一方,力量のある教員は50人だって100人だって掌握できます。
今やるべきは,優秀な教員の給料を高くして,その能力に報いることなのです。
記事には「子どものことだけを考えたかったが,保護者への対応などで神経がすり減った」と,心が折れる教員が後を絶たないと書いてあります。
そんな人間は教員にそもそも向いていないので,とっとと教育現場から退散してほしいですね。
保護者との対応を嫌がる教員は,実は多いのです。
そして,そういう教員は,教師失格なのです。
この国の教育行政は末期的状況だと思います。
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