[2021年10月6日]
まさかの気象分野から。
アメリカの真鍋淑郎さんが,地球の気温予測をコンピュータで計算する手法を開発したことにノーベル物理学賞が与えられた。
ご存知のように,私は一応気象予報士であるからして,この業績に無関係ではない。
ちょうど,今年は京都の農業大学校で地球温暖化の講義をしてきたばかり。
その授業のスライドにも,ちゃんと今回真鍋氏がつくったものをベースにしたコンピュータシュミレーション図を使いました。
このコンピュータプログラムのミソは,大気の動きだけでなく,海洋の動きと,熱の移動を考慮したものである点。
まだ,エルニーニョなど,大気と海洋の相互作用について,誰も考えていない時に先駆的な発想だったというわけ。
この業績のおかげで,ある程度科学的に将来の地球の様子が予測できるようになった。
ただ,そのことと,温暖化対策をすべきかどうか。
何をすべきか。
何をしないべきか。
そういったこととは切り離して考えないといけない。
たとえば,今後100日間の人間の体温予測ができるようになったとする。
「たいへんだ!100日後には体温が1.5℃上がるぞ!」
しかし,解熱剤を飲むか,そのまま放置するか,氷枕にするかは,体温予測とは別の話になる。
地球温暖化がこのまま進むとして,それを止めるべきかどうかは議論があってよい。
私などは,どちらかというと温暖化賛成派。
気温が高くなって,ほとんど悪いことはない。
農地が増え,農作物もよく育つ。
逆に寒冷化する方が生きて行く上でデメリットが多い。
寒くなると雪国や寒冷地での死亡事故が増えることは間違いない。
なのに,どうして世界中で温暖化しないように対策するのかわからない。
このノーベル賞を契機に,そういう議論を真面目にやってもらいたいものだ。
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