[2021年10月10日]
来春の大阪府の私立高校入試の実施日は2月10日となっています。
どういうわけか,京都府も兵庫県も2月10日です。
たまたま今年は同じ日程なのでしょうか?
そんなことありません。
実は,毎年大阪と兵庫と京都は同じ日に統一されています。
理由はカンタンで,別の日程だと,受験生はそれぞれの府県の私立高校を複数受けて,最も行きたいところにだけ入学手続きをすればいいからです。
私立高校側からすると,人数が読みにくくなります。
受験生の安定確保には,選択肢を少なくするほうが有利です。
そう,この日程は,全く私立高校側の生徒入学の人数調整の都合で成り立っています。
同様の意味で,大阪府の私立高校は一斉に2月10日にやるのです。
1月末にぬけがけしてやるとか,そういうことはやりません。
なぜでしょう?
それは,みんなで生徒数を分かち合う精神なのです。
1つの私立高校が募集して,年によって人数が多かったり少なかったりすると,学校運営に支障が出ます。
なるべく一定の人数が来て欲しいし,極端に減るのは一番困ります。
そこで,編み出されたのがこの護送船団方式です。
このシステムは,巨悪と言ってもよいと思うのですが,誰も改めようとしません。
まず,大阪と兵庫と京都の私立高校連合が相談して入試の日を決めます。
(たいてい2月10日前後)
それとは別に,各府県で,私立高校と公立高校の定員調整が行われます。
単純に考えると,すべての府民県民が公立高校に行きたいと言えば,全員分の定員を用意するのがあたりまえなのです。
実際は,そうはしません。
公立の定員をかなり減らして,私立高校に行く人数を確保するのです。
そうしないと,つぶれる私立高校が生じます。
いやいや,人気のない私立高校はつぶれても仕方ないはずです。
ところが,公的なところで,私企業である私立高校を強力に保護する人数配分がされてるのです。
そして,今度は公立中学校の出番です。
中学校の進路指導は,この10月から11月にかけて実力テストを実施します。
その成績で生徒を私立高校に割り振ります。
本来なら,上位に挑戦できる生徒でも,下位の私立高校でないと「難しい」と言って下位の私立高校がつぶれないように割り振るのです。
それで,私立高校は,基準どおりに受験させてくれた生徒には合格の確約をします。
確約ですから,入試で点数が低くても合格するのです。
中学校の先生は,必ず合格するのですから安心です。
だから,このシステムに全中学校がのっかっています。
これが,大阪府と兵庫県と京都府の3府県ぐるみで行われている入試の実態です。
ああ,また書いてはいけない本当のことを書いてしまった・・・
ですが,基本的にこのシステムは間違っていると思っています。
たとえば,大阪で人気のある某なんちゃらの会の,いきっている知事や市長は,この制度を知っているくせに,全く知らんぷりです。
こういう巨悪を許さないぞ!という政治スタイルのフリをしているのにです。
おかしいと思いませんか?
理由は明確なのですが,そういう表裏のある教育行政をしているのが大阪,兵庫,京都なのです。
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