[2021年12月7日]
本日の物理特別講座で扱った名工大の問題は,「向き」についてのよい練習になります。
多くの生徒が向きを正しく扱えていませんでした。
問題で扱うのが速さなのか速度なのか。
それに合うように正しく立式する力が求められます。
でも,これ,非常に基本的で大切なことです。
実は,中学1年生の数学で最初にこれをやります。
右に10m進むのを左に−10m進むと表現しても同じことなのです。
−50万円もうかったとは,50万円損したということになります。
それとは別に,50万円の借金,50万円の貯金などという言い方もありますね。
借金だからといって,−50万円の借金とすれば,それは貯金になってしまいます。
こういう,プラスとマイナスの扱い方をそのままやればいいのですが,なかなかできない。
力学では,運動量保存則や反発係数の式で向きのミスが多発します。
電磁気学では,誘導起電力の向きが全くと言ってよいほど正答できません。
正確に言うと,いつまでも正答率50%なのです。
熱力学では仕事をする,されるで正負が変わります。
温度が上がると下がるで内部エネルギーの変化の正負が変わります。
吸熱と発熱でも正負が変わります。
これら全部含まれているのが熱力学第一法則です。
今日の名工大の入試問題には,すべて含まれていましたね。
単に公式を丸暗記していても,正負を間違うと0点ですよ。
えっ?ちょっと向きを間違えただけやん!と思ってるアナタは理科で受験するのは向いてません。
熱を奪わないといけない時に熱を加えて大事故になったりしますよ。
向きを正しく扱えない人は理系方面には向きません。
文字通り不向きなのです。
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