[2022年1月20日]
各予備校の判定システムで,A〜Eのような合格可能性判定を信じてしまう人が多発しています。
ある程度の参考にはできますが,最後にどこに出願するかは,もっと慎重に判断する必要があります。
あの判定は,あくまで「標準的な受験生」が100人いたら50人合格しそうだという時にC判定,70人くらいならB判定というようなイメージ。
そう,実は「標準的な受験生」って誰一人いないのです。
誰もが得意科目や不得意科目をかかえています。
さらに,科目によって,得点のバラツキ具合が異なることも重要。
実際に合格できるかどうかは,「個別の特性を持つ受験生」が合格点を取れるかどうかだけに注目して考えるべきなのです。
たとえば,ちょっと極端に考えてみるといいです。
ある受験生が2つの科目をかかえてるとしましょう。
1つは,試験ごとにバラツキの大きい科目=凸凹型とします
もう一つは試験ごとのバラツキの小さい科目=安定型とします
凸凹型の平均は50点ぐらい,安定型は60点ぐらいとします。
本人も判定上も,凸凹型科目が不得意科目,安定型科目が得意科目となっているでしょう。
じゃあ,得意科目の安定型で受験した方が合格しやすいの?
共通テスト+2次というような国公立大受験では,そうとは言い切れません。
すでに持ち点が決まっているので,2次であと何点くらいで合格しそうかが決まっているのです。
簡単のために,100点満点で考えますね。
あと100点満点のうち,60点取れば合格の場合,凸凹型科目だと10回受けたら4回しか合格しません。
一方,安定型だと8回も合格しますね。
やはり,得意科目の安定型科目が有利です。
ところが,あと70点取らないと合格できない場合はどうでしょう?
凸凹型だと,10回のうち4回合格しますが,安定型だと2回しか合格しません。
安定型の方が得意科目なのに???
逆に,あと50点で合格という場合,安定型だとほぼ大丈夫。
一方の凸凹型だと,やはり4回だけ合格です。
こんな風に,残りの点数を取れるかどうかは,受験に使う科目の「型」が重要なのです。
この「型」は,本人はだいたい気づいていると思いますが,判定システムでは判断してくれません。
単に判定に従って受験すると,むしろチャンスの少ない受験をしてしまう可能性があるのです。
ウチの塾生の場合は,塾でその生徒の特性を把握しているので,そのあたりも考慮してアドバイスできるのです。
しかし,日本国中,各家庭で判定だけ見て判断している人が大多数でしょう。
学校の先生も,各自のそういう特性を把握していないので,的確な助言にはなっていないと思います。
ウチのブログを読んでくれている奇特な先生なら大丈夫かと思いますけどね。(めったにいない)
あとは,受験生側の特性以外にも,各大学の出題内容に左右される部分もあります。
ウチの塾だったら,あの授業を受けているからこの大学の内容でも取れそうだとかいうことも判断して指導できます。
大手の塾に行って謎の「安心感」を購入するのもいいですが,大きい塾や予備校では個別の細かい進路指導は期待できません。
結局,できあいのシステムの判定を鵜呑みにするしかないのです。
にほんブログ村
にほんブログ村