[2022年4月21日]
完全に平和ボケしている日本の今の中高生はICBMと言われても何のこっちゃかわからんでしょうね。
冷戦時代はよく聞いたのですが,このところ北朝鮮が頑張ってるという話でたまに聞く程度。
塾生諸君はICBMってどんなものか,知ってますかね?
あるいは,中高年の人もよくわかってないと思います。
ICBMはもちろんintercontinental ballistic missileの頭文字です。
interは「何かと何かの間」「互いにかかわりあう」みたいな意味ですね。
インターハイは高校と高校の間で相互にかかわって試合するわけです。
continentalは大陸ですから,intercontinentalで大陸間という意味になります。
大陸と大陸の間を飛ぶということで,数千km以上は飛ぶという長距離ミサイルなのです。
それで,ballisticの意味がみなさんわかっていないと思います。
これは「弾道」と訳されます。
弾道?
何のこっちゃ?
弾道ミサイルの他には巡行ミサイルってのがあります。
トマホークが有名ですが,これは翼を持っててエンジンで推進力を保ったまま飛んでいくのです。
いわゆる誘導ミサイルは,飛んでる最中に方向を変えて目標に命中させることができます。
それで,弾道ミサイルは,発射して速度を得たあとは,もう推進力がないミサイルです。
ピストルの弾もそうですよ。
バーンと打ったら,そのあとは弾が飛んでいくだけ。
弾道ミサイルも,打ち上げたら重力によって放物運動して落ちるだけ。
ただ,ICBMは大陸間を飛ぶので,放物運動と言っても,大気圏外を飛んでいきますから人工衛星に近い。
逆に言うと,人工衛星を打ち上げる技術があれば,大陸間弾道弾を打てるということです。
注目すべきは,今回のロシアのミサイルは核弾頭を10個搭載できると書いてあるところ。
ロシアなんて,宇宙ロケットが得意なので,ICBMなんて簡単に飛ばせます。
驚くのは,核弾頭10個の部分なのです。
核弾頭って,めっちゃ重たいのですよ。
1個200kgくらいでしょうかね。
要するに,それくらい高出力のミサイルを持っているという力の誇示がされているのです。
さらに,この核弾頭ミサイルはさっきの話のように,地球の重力による運動で運ばれるので,最終的には軌道が完璧に予測できます。
なので迎撃されてしまう恐れがあるのです。
ところが,敵国上空で核弾頭が分離されて滑空飛行するようです。
核弾頭に翼がついていて,グライダーのように飛んでいくので,それを全部撃ち落とすのは不可能でしょう。
そのあたりも他国にとって脅威です。
ちょっと軍事ヲタク的な話に思うでしょうが,勉強してこれぐらいのことは知っておかないと,ニュースの意味が理解できないのです。
ヲタク的でなく常識的に皆が知ってるべき内容なのです。
何も勉強せず,テレビの報道だけで「ウクライナかわいそー」と他人事のように言ってるだけの平和な日本人が多すぎると思います。
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