[2022年5月1日]
新教育課程でプログラミング教育が入ってくるようです。
何やら論理的思考ができるこどもが育つような期待を持っている方がおられるとしたら,それは全く無理です。
教育における根本的なベースが欠如しているからです。
まず,その教育の必要性です。
どうも,推進する側の目論見は「プログラミング教育を通じて論理的思考力を育てる」というものです。
これが,どう考えても納得いきません。
論理的思考力は,たとえば理科や算数の授業で育てられます。
ってか,今までそれでよかったのです。
中高生の論理的思考力が育っていないのであれば,それは小中学校の先生の能力不足です。
それで,その能力不足の先生がプログラミング教育をしたところで,育たないものは育ちません。
ってか,論理的思考ができないとプログラミング教育が成立しないと思うのです。
教える側も,教えられる側も論理的思考が苦手で,その人たちが大切な学校の時間をつぶして何するの?
そもそも,小中学校の先生は自分でプログラミングした経験がほぼゼロです。
文科省の手引きでは教師が体験するように勧めてますけど・・・
それでなくても,忙しい忙しいと言って,仕事をするのを嫌がる先生たちが新たに取り組むことはしないでしょう。
今ある小中学校の理数の授業をきっちりやりましょう。
するとちゃんとした論理的思考力が育ちます。
中途半端なプログラミング教育がますます学校の教育をダメにする気がしてなりません。
先日,理科の指導法セミナーでウチの塾で教える濃度計算のやり方を紹介しました。
実はあれこそがプログラミング思考なのです。
既知の値を変数に入力すると,未知数を算出するプログラムを組んだだけです。
それって理科教育で十分に涵養できる能力なのですよ。
数学のセミナーでも岩石学のプログラムを紹介しました。
あれも,学校で習った数学を使って独学で組んだプログラムです。
プログラミング教育を受けたことがなくても,普通に学校で理科と数学を習えばプログラムなど誰でも書けるというのが実際なのです。
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