[2022年6月27日]
日本のお城というと,みなさんどんなイメージでしょうか?
やはり,四方を石垣で囲われて山のてっぺんに立派な天守閣のあるのを想像するでしょう。
このような立派な城郭は織田信長が安土城で最初に世に示したものなのです。
その安土城跡に行ってきました。
というか,個人的な興味は「石垣」そのものです。
石垣の岩石は湖東流紋岩といいます。
流紋岩ですから,よく見ると石英の粒がたくさん見られます。
小さいオパールやムーンストーンも入っているそうですが,肉眼で確認はできません。
流紋岩というと,中学でも習う「火山岩」ですから,マグマが急に固まったと覚えているでしょう。
実際は,これらはほとんど「火砕流」が固まったものです。
火砕流が堆積すると,土砂の堆積と同様にある程度自重によって水平方向に平べったい構造をもちます。
おそらくその影響で,この湖東流紋岩も平べったく堆積し,その方向に割れやすくなったことでしょう。
やや平べったい石の方が,石垣にするのに好都合ですよね。
というわけで,石垣に最適な形の自然の石がゴロゴロしているのですから,城郭を石垣でつくることがやりやすかったのです。
信長は岩石の特長も踏まえて立派な安土城をつくったわけです。
天守閣跡に近づくほど,巨大な石垣が目立ちます。
これは力を誇示するためでしょうね。
天守閣の礎石も湖東流紋岩です。
地下1階,上が6階建ての,最初の木造高層建築とも言われています。
このあたりの古墳にも湖東流紋岩は使用され,遠く対岸や彦根城にも使われています。
歴史的にも重要な石材であったことはまちがいありません。
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