[2022年6月29日]
大阪府立高校の先生が長時間労働で適応障害になったとして訴えていた。
大阪府が230万円払う命令が出たそうな。
多くの人は,良かったと思うかもしれない。
しかし,よく考えると全く良いことがないのだ。
まず,その230万円は誰が払うのかというと,結局は税金だ。
時間外労働に対してお金が出ていないのであれば,その規定や運用に問題があるので,それを改善すればいい。
精神的にしんどくなった慰謝料的に230万円払うのもどうか。
本来文句言う仕事でないのに,その人の能力が非常に低くてオーバーフローしただけかもしれない。
ひどいことを書くようだが,その人だけが異常にたくさん仕事していたわけではないはず。
記事によると,最大で1か月に155時間の時間外労働ということ。
これは最大なので,通常は120時間とかだろう。
1日あたり4時間程度。
教師の仕事としては,そんなもんだ。
実際,私が学校勤務時代はそれくらいは余裕でやっていた。
記事には,おかしなことが書いてある。
「クラスの担任や世界史の教科担当に加え、ラグビー部の顧問と生徒指導担当、そして海外への語学研修の引率責任者まで任されたのです。」
これ読んでびっくりした。
クラス担任や教科担当に加えって,それ自体でいっぱいいっぱいだったのか?
部活顧問は仕事ではないと思ってる教員がいるようだが,教員の仕事は部活を通じてとか,あらゆる機会を通じて生徒とかかわることなのだ。
生徒指導担当って,そりゃみんな担当はあるよ。
教務,生徒指導,進路指導のどれか一つは必ずやってあたりまえ。
担当になって,ちゃんと仕事していたかが大切だが,この人のキャパではちゃんと仕事してもいない可能性がある。
語学研修の引率責任者も,そういう時期があっただけで,最大の時でこれだけの仕事量だったという話。
別に,多くないです。
普通です。
この仕事量で,訴訟でいちいち賠償金払ってたら,税金が破産します。
今後やるべき重要な政策は,この程度の分量の仕事がこなせないような,キャパの小さい人材しか集まらない状況を変えること。
手っ取り早いのは教員の給与を今の倍くらいにすることだ。
すると,この程度の仕事を余裕でこなせる優秀な人材が集まる。
今回のように,この程度の仕事量でダメになる人を標準的な教員にしてしまうと,学校教育の未来はたいへん暗いものになっていくのである。
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