[2022年9月15日]
受験生は模試の偏差値を見て一喜一憂してませんか?
むしろ親御さんの方がいろいろ悪影響を与えていませんか?
別に,模試で合否は決まりませんので,その模試を生かして次へ進みましょう。
中3生の夏の結果が返ってきました。
もちろん,夏期講習でがんばった人で偏差値が上昇した人も多いです。
しかし,横ばいとか下がっているように見える人はガッカリしなくてもよいでしょう。
だいたい,模試で実力がしっかり測定できているかが怪しいのです。
足りなかったところを分析して次回に生かすか,受けっぱなしで放置するかで将来の学力に差がつきます。
そもそも,偏差値を理解できているでしょうか?
ほとんど,自然状態の分布は正規分布と呼ばれる標準的な分布になりがちです。
試験の点数も,だいたい多くの人が取る点数付近が平均点となり,平均から離れるにつれて人数は減っていきます。
なので,試験の得点分布が正規分布だと仮定して上位から何%の位置にいるかの目安が偏差値です。
平均点の人を偏差値50と定めます。
つまり,100人いたら50番目くらいが偏差値50です。
では,偏差値60はどのあたり?
正規分布というのは,数学的に決められた分布で,それによると偏差値60と50の間には全体の34%の人数が含まれます。
ということで,偏差値60の人は上から数えると16番くらいの人です。
まあまあ上位ですね。
さらに,偏差値70となれば,100人のうち1番か2番という位置です。
ただそれだけの数値です。
気を付けるのは,取った点数は模試の点数だということ。
入試問題と大きくちがう系統の試験だった場合,そもそも正しく学力が測定できません。
たまたまその試験では,得意分野が多く出題されたとか少なかったとかは運に左右されます。
勘が当たったとかはずれたとかも意外に偏差値で±2くらいは左右します。
実際の試験当日も運に左右されます。
数学的にきっちりした数値が出ていそうな偏差値ですが,前提を思い出してください。
受験した生徒の分布が正規分布という数学的な分布だと「仮定」して計算したものが偏差値です。
実際の試験の分布は正規分布にならないことも多いのです。
各個人は,いろいろと不安定な要素を含む偏差値を絶対視せず,ざっくり把握する程度に使用してください。
高校生で模試が返ってきた人は見せてください。
ときどき,良い点数の時だけ見せてくれる人がいます。
偏差値や模試の意味が理解できていないのでしょう。
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