[2023年4月3日]
この仕事をしていて,ずっと不思議に思っていることがある。
科学技術の進歩によって,たとえば勉強に使えるツールは格段に良くなっている。
我々が中高生のころは,英語のリスニングには「テープレコーダー」を使用していた。
最初からもう一度聞くには「巻き戻し」しないといけない。
特定の場所から聞きたければ「カウンター」をメモしておくなどの手間もあった。
ところが今はどうだ。
日本橋で1000円以下で購入してきたバッタもんのICレコーダーでも,大量の音声が聞けて,任意のファイルを一瞬の操作で聞くことが可能だ。
あるいは,有名予備校講師の授業も,居ながらにして視聴できたりもする。
辞書も電子辞書ならば,紙よりもすばやく検索できて,音声も聞ける。
何より,スマホを使えば何でも調べられる。
理科でも社会でも,知識を得ようと思えばいくらでも情報は得られるのだ。
なので,勉強するのに効率よすぎて,人間は昔の10倍くらい賢くなっていておかしくない。
ほんとにそう思う。
が,しかし・・・
むしろ,昔の我々の方が学力が高かったかもしれないと思う場面が多くある。
なぜ?
これが不思議でならないのだ。
どうして紙の辞書を使い,テープを巻き戻していた時代の我々の方が,英語に関して学力が高いと思えたりするのだろう。
当然,今の中高生の方が,我々よりはるかに英語に堪能になっていないとおかしいでしょ?
どうして百科事典だけが頼りだった我々の方が今の子たちより知識量が多かったりするのだろう。
結局,ツールが進化しても,それを使う人間の頭が退化しているのではないか?
あるいは,教員のレベルがそこまで退化しているのかも?
実際,最新のICTなどのツールを使いこなせない教員がまだまだ山ほどいる。
そうしているうちに,日本は世界から完全に取り残されてしまったわけだ。
せっかく道具が進化しても,ちゃんと使わないと宝の持ち腐れになってしまう。
根本的に教育政策を考え直さないと,地盤沈下はとどまることなく,やがて日本沈没となるのは必定だろう。
今日からこども家庭庁とやらが始動したようだ。
この政策が,日本沈没を異次元に加速させなければよいが・・・
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