[2024年5月10日]
とりあえず,昨年にウチの塾生が書いた秀逸な短編小説?をお読みください。
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「十年後の日本」
日本から心が失くなった。
人々が心を失ってでも求めたのはポイントだった。
二〇三四年、日本はポイントに支配されていた。
財産はもちろん、刑罰や寿命さえもポイントに変換され、罪を犯せばポイントが減り、良い事をすると増える。
ゼロにならない限り人生は続く。
当初は人々の良心を育む良い制度かと思われたが、結局その良い事は政府に都合の良い事に変わってしまった。
人々の成す事全てはポイントのため。
心の通わないそれに何の人間性があるのか。
私の反ポイント思想は寿命一年減少の罪をくらった。
私はポイントがゼロになるまで抗うことを決めた。
抑圧された芸術家、思想家とともに私は日本をポイント制から解放した。
ミッションクリアだ。
私はVRゴーグルをあげた。
二〇三四年、日本では未来の最悪の日本を再現したVRシリーズが流行していた。
そういえば今日はポイント2倍デイだ。
スマホを開いた私は今日美術館へ行く予定などすっかり忘れていた。
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