[2024年11月2日]
信州大学で活断層学会があって長野に来ています。
今日の発表で面白かったのは,南海トラフ地震の再来周期の推定に使われている中田高(広大名誉教授)の論文の再検討の話。
1980年に出たこの論文は高知での隆起量と再来周期に関する有名なもので,それにイチャモンつけた人がいる。
東京電機大の橋本学という人物で,そのイチャモンに対する致命的な欠陥を本日の発表では指摘していた。
どの学問にも定説となっていることにイチャモンつける人はいるもんで,「相間さん」と呼ばれる。
よくある「相対性理論は間違いだ」と主張するバカという意味。
その学問をちゃんと勉強していないのに,否定するだけのバカという話。
今回の高知県の隆起に関する根拠が希薄だと主張する橋本自身の根拠が全くデタラメなので,それは学問的には決着がつくどころか,話にならないので問題はない。
問題なのは,それを東京新聞が記事にして,定説が間違っていると報道したり,ネットでも広めていることだ。
橋本の所属する東京電機大も,まあそういう大学なので,話題にしてもらえるなら何でもアリなのだろう。
ウチの塾ブログ読者はおわかりと思うが,「定説」を鵜呑みにせず,疑ってかかるのは大切だ。
常にその姿勢は持っておきたい。
ところが,定説を否定するのが目的になって,根拠を恣意的に持ってくるのが全く非科学的ということになる。
さて,そのイチャモンをつけられた当人の中田さんが本日発表したのは,実は当時の論文が間違っているのではないが,より精度高く隆起量を再検討したという内容だった。
それによると,以前のモデルだと2034年プラマイ数年だったのが,なんと2030年プラマイ数年が最も来そうな時期に早まってしまったとさ。
いずれにしても,あと10年,20年はいつ来てもおかしくないので,海辺にお住まいの方は津波からすぐに逃げられるようにしておくことさ。
とさ。
高知だけに・・・
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