[2010年10月4日]
ウチの塾はピンと張りつめた緊張感を大切にしている。
自分の学力を高めるためにひたすら演習する時間が多い。
その時に質問する生徒はほとんどいない。
これは非常にレベルの高い空気だ。
要するに試験中の雰囲気に似ているのだ。
試験,特に入学試験などで質問する人はほとんどいない。
よほど印刷に不備があるなどでなければ質問なんてできないのだ。
問題を解くにあたって,相談できる相手はただ一人=「自分」しかいない。
なので,日ごろから塾でそういった状況に慣れて学習時間を過ごす人は間違いなく力がついていく。
しかし,必要に応じて質問することも大切だ。
上手に質問する生徒もいる。
与えた教材からすると,たぶんここで躓くか質問するだろうなと思っていると,きっちりそこで聞いてくる。
それも,「ここはこうですよね?でもこうではだめなのですか?」
とか,「こうやってうまくいかないのですが,どうしてですか?」
という聞き方になる。
そう,そのステップを踏ませたいからこの教材を選定したのである。こうやってすばらしく学力がついていく。
学校の教師は1から10まで教えたがる。それで生徒もわかった気になるが,それだと時間がまるで足りない。演習量を確保しないと学力として定着しないのだ。
塾でも同じで,講義して何やら高度な話で生徒を引き付けて,学校ではこんな話は聞けない云々で得した気にさせる。しかし,結局は演習で力をつけないことにはどうしようもない。
講義の時間が少ないと手抜きだと思われてしまう。それが怖いから学力をつけるためでなく,世間体のために講義している塾も多いのだろう。それでよく教えてもらえるといって評判になり,塾に通う人も増えればよいのだろう。
そういう意味ではウチの塾はあまり教えないので手抜き塾として悪い評判になりそうだ。その悪い評判とは裏腹に結構多くの塾生が通ってくれている。このパラドックスは実際に私の指導を体験してみないと解けないだろうな。
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