[2010年10月25日]
大学入試センター試験を難易度別に2種類にする検討を、大学入試センターが始めるらしい。現在の中1が受験する2016年1月実施が目標。
学力が一定程度に達していない受験生には問題が難しいので手を打つ必要が出てきたとのこと。
本末転倒だと思う。
不合理な設定が原因だ。すなわち,センター試験の平均点は受験生のレベルにかかわらず60%程度にするという設定。
たとえば,理系で医学部をめざす超優秀層が受験することも多い物理や化学と,とりあえず受けておこうかという文系ばかりの地学が同じ平均点60点に設定される。当然,地学の方が難易度は簡単だ。物理や化学で80点取ろうとすると何百時間の演習が必要かわからない。地学は100時間真面目にやれば80点取れたりする。
昔,共通一次試験の頃は国公立大学受験者のみに課されていたが,センター試験になって,私立大学も利用するようになった。
ある程度の水準の大学ばかりならよかったが,かなり低学力でも合格できる大学も参入している。
さきほどの地学の論理でいくと,低学力層が参入すればするほど,試験問題を簡単にしなくてはならない。すると,高学力層には簡単すぎて,差がつかない。低学力層にあわせて試験していると,どんどん試験のレベルが下がってしまう。
そこで2種類のセンター試験をつくろうというのが今回のねらいだ。
全くナンセンスな話で,受験生のレベルに関係なく,大学で勉強するつもりならこのレベルはクリアしなければダメだという水準で試験をするべきだろう。その水準をクリアしていれば,あとは2次勝負というように,一種の受験資格試験という位置づけにすればよい。水準に達しない連中は,大学というレベルにないのだから,就職口をさがすか浪人して再受験する方向でどうだ?(予備校がもうかる?)
とにかく,レベルの低い人にあわせるのは反対だ。
ますます勉強しなくなる。
レベルの低いのは勉強量が足りないだけなのだ。
むしろレベルを上げてもっと勉強させるような仕組みにしないと世の中はレベルの低い大学卒であふれかえる。いや,すでにそうなっているから就職できない学生が多いのである。不況とかは関係なく,単に学生のレベルが低いから採用しない会社も多いのではないか。
センター試験そのものの是非も問われるかもしれない。
○×試験で学力が測れるのか?
私はある程度測れると思っている。
なので,資格試験としては有効に活用できるだろう。
毎年マークミスなどで泣く受験生もいるようだが,それはそいつが不注意なだけで,そういった注意力も含めて試験されているのだと思えば良い。
来年は1月15日16日がセンター試験となる。
そろそろ準備しないといけない季節だ。
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