[2010年10月26日]
ミスタードーナッツの話かと思いきや,60年前に日本で発見され、その後使われなくなっていた抗生物質コリスチンが多剤耐性菌効くというので復刻するらしい。
さすがの多剤耐性菌も60年前の抗生物質は覚えていなかったということだ。
ただし,副作用がそれなりにあるので(だから使われなくなっていた)多剤耐性菌への使用に限るらしい。
話は受験業界へ。
今年から,受験業界でも「覚えてなければ新商品」が解禁されている。
センター試験の過去問利用が解禁なのだ。
今年の1月にはそれがなかったので,来春のセンターでは過去に出題された題材での出題があるのではないか。
全く同じ設問になるわけではないが,読んだことがあるのとないのでは読解のスピードや精度に差がつく可能性がある。
しかし,読んだことがあっても覚えてなければ新問題だな。
実は,入試問題なんて大なり小なり過去問の類題だ。
だから覚えてなければ「新傾向」,覚えていれば「典型問題」という印象になる。
和田秀樹氏の「数学は暗記だ」というのもそういうことだ。
繰り返し演習して覚えてしまえばかなりの得点力がつくのだ。
これを邪道だとかいうのはおかしな話で,誰が何と言おうと受験数学が学習指導要領の範囲から出題されるかぎり,暗記数学は有効な勉強方法だ。
数学の教師で,よく「できるまで考えなさい」と言う人がいる。そんなヒマあるわけない。ある程度考えてできなければ解答を見てその解き方を覚えてしまうのがよい。次に類題に出くわしたときに同じようにやってみたらできたりするのだ。
どんなに暗記数学を批判している数学の教師でも,過去に自分の解いた問題を一切覚えていないはずなかろう。生徒にはまだ解くことのできる材料がそろっていないのに長時間考えさせるのは時間の無駄というものだ。ある程度材料がそろった段階で考えることは意味があるかもしれないが。
数学が苦手だという諸君は,まず計算力をつけること。典型問題をたくさん解いて(解答を読んで)解き方を覚えること。そこからスタートせずにいきなり志望大学の過去問と長時間格闘しても力はつかない。
さて,ドーナツでも買いにいくか。(覚えているかも?)
にほんブログ村