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尾崎塾
富田教室

[2010年10月27日]

人の命の重さを考える

「人の命は地球より重い」と言う人がいる。

最近のニュースでいえば・・・

裁判員制度で今回はじめて死刑か無期懲役かの判断をせまられている。

奄美大島では記録的な豪雨によって数名の方が亡くなった。

群馬県では女児が自殺。「いじめ」が原因か?

こういったことは大きくニュースで取り上げられており,命の重さについて考えさせられる。


が,しかし,だが,but,


先日地震があって,スマトラでまた数百人死んでるんですけど。


先に挙げた事件は1人とか数名の単位でしか死なない話。

マスコミが取り上げる紙面や放映時間は死者の数に比例していない。

日本人の死の重みは外国人の死の数百倍あるのだ。


いや,チリの33名の報道はすごかった。

チリ人の命の重みは日本人並みか?

これは話のドラマチックさが原因で,話が「おもしろい」から報道しただけだ。テレビなんぞは視聴率こそが「命」だから。


私は常に物事を俯瞰して見るので,命の重みはすべて同じに見える。だから奄美大島の方も気の毒に思うし,スマトラの方も気の毒に思う。むしろ,スマトラの方の死の方が強く気の毒に思う。
それは少しのお金と労力で助かったであろう命が多いからだ。

何度も書いているが,スマトラは大地震が頻繁に起こる。M6.5以上なら津波が起こる。それを教育されていない人々があっけなく死ぬのだ。今回も津波で死んだ方が多いようだ。知っていれば死ななくてすんだ例が多いのだ。

政府やいろいろな慈善団体は,人が死んでから募金を集めたり援助したりするが,そんなことで命は帰ってこない。次の地震が起こる前に,防災教育を徹底するように指導することこそ重要なのだ。

日本の優れた防災教育を輸出すれば,世界中で未来の命が救えるのだ。


余談

命の重みって何キログラム?

地球より重いって・・・





答え:0より多いとしか言えない。

地球の質量は6×10の24乗キログラム
重さは質量×重力加速度であり,地球はいわば宇宙に浮かんでいて重力加速度0でしょう。太陽の重力があるが,公転の遠心力と相殺されて無重力(正確には微小重力)となっているのだ。

人の命は意外に軽いかもしれないのである。


ちなみに今日は私の命が始まった日。



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