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尾崎塾
富田教室

[2010年10月28日]

理科も全国学力調査へ

文部科学省がやってる「全国学力調査」。

来年度の調査から小中とも理科を追加する方向で検討に入るという。

ただ、理科は観察や実験などが重要な教科であり、筆記試験だけでは学力を調べることが難しいことから、文科省は、学力調査とは別の調査を実施することも視野に入れているとか。


全国的に児童生徒の学力を測るのはよいが,教員の学力も測るべきだと思うが・・・

筆記試験では学力を調べることが困難と考えていることこそ問題である。今の小学校や中学校の教育が危ういことを露呈している。

今や,小中学校で行われている理科の実験なんて,ほとんどお遊びだ。たとえば色が変わったとか泡が出てきたとか,見た目に面白い変化があって「わー,すごい!」と精神年齢の低いこどもがよろこぶだけだ。その奥の本質的な部分に切り込むような指導をしている方が少ない。

ある程度の知識と学力を持った後に行う実験は非常に意味がある。
知っていることを実際に目の当たりにして,より深く考察することが可能だ。

まずはじめに知識・理解なくして,単に見た目におもしろく,生徒の人気をとるために実験をしているような教師が多いのではないか。

ペーパーテストで学力が測りにくい原因の1つは,論述力がないからだ。国語教育の問題でもある。単語でしか答えられない。自分の考えを文章にすることができない。そもそも考えていない。など。


もっと根本的に,構造的な問題がある。

小学校の教員の理科学力が非常に低いのだ。

小学校教員のほとんどは文科系受験者。

しかも,教育大に入るのに必要な理科は本格的な物理や化学ではなく,理科総合という中学程度の理科だったりする。

中学生に毛がはえた程度の理科しかわからない教員が小学校の教員なのだ。理科の本質がわかっているとは到底思えない。

花に水をやるときに,愛情こめて声をかけると水の結晶がきれいになってよく育つとか,本気で信じている教員がいる。道徳教育の一環だとしても,子供の理科概念形成のためにどれだけマイナスになるかの思考がはたらいていない。

本当にこの国が理科の学力を向上させようとするなら,教員養成機関に重大な欠陥がある点を改善すべきなのだ。




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