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尾崎塾
富田教室

[2010年12月5日]

公教育の上に胡坐をかく教員たち

公立中学校の試験前になると,生徒に試験範囲の一覧を持って来させる。

毎回のことだが,呆れ返るのだ。

試験範囲のなんとマチマチなこと。

まず,学校によって進度が違いすぎる。

理科や社会の場合は分野の学習を平行にするか交互にするかなどで違いが出るのはわかる。
しかし,同じ履修形式で同じ教科書なのに英語ならLessonの2つくらい差がついている。
遅い学校は3学期に猛スピードで終わらせるのだろうか?

善意に受け取ると,生徒の理解度に応じて丁寧にやっているとなるが,そんな話を真に受けてはいけない。教員は自分のペースで授業をやりたいのだ。無計画にいろいろとしゃべっていると時間がかかりすぎて,つい遅れてしまう。中途半端な内容でチャイムが鳴ってしまって,次の授業はまたその続きから。当然,ドラマの回想シーンのように同じ内容を思い出させてから進むので,2度手間になることもある。どんどん遅れていく。

3学期には教科書を終わらせないといけないので,適当に省略して猛スピードでやっつけて終わり。あとは次の学年の人にバトンタッチ。

中には少しは生徒の学力を付けようとして,早目に教科書を終わらせて,3学期には演習をするとか考える教員もいる。なので遅いところと速いところはとんでもなく差がつく。

問題の1つは,生徒と保護者は教員を選べない点だ。

さらに呆れ返ることがある。

試験範囲は○○ページから○○ページと書いてある。

教科書で確認すると,????何だ????

はじめも終わりも単元の途中ではないか!

いかに無計画に授業を進めているかがよくわかる。
いや,これは例外的にではなく,各教科すべてこうなのだ!!
おそるべし公立中学教員たち。(高校も似たようなものか?)

少なくとも単元ごとに試験をしていかないと,全体像を把握させられないし,理解も深まらない。

これにも絶望的な構造があって,およそ今の教員のモラルでは回避できないことが原因だ。

すなわち,授業は教科書どおり進める。指導書のとおりにやる。あるいは,10年前につくっておいた自分オリジナルのプリントのとおりやる。(まだ先に述べたテキトーにやって遅くなる教員よりましなのだが,すべて予習をあまりしなくてよいという点が何より大切!)定期考査までの時間数が20時間,指導書の時間が15時間だとする。自動的に次の単元に5時間だけ入る。

こんな感じで,試験範囲は単元の途中でブッタ切られている。

私が学校の教員をやっていた頃,試験と試験の間の時間数はキッチリ計算していた。たとえば20時間あるとすれば,その20時間に単元の内容をどう配分すれば収まるかを考えて授業計画を立てていた。もちろんある程度の演習も込みだ。どうしても切りが悪い場合は,内容を削る方向には動かさない。(多くの怠慢教師は,少なくなる方向に変更するので注意!)足りない分は放課後とか土曜日午後などに補習授業を入れたり,他の授業をもらったりして補充するのだ。ある程度の私立進学校であったが,そのように授業を進めている教員はごく少数派だった。試験前になってやっと「あっ,時間が足りないなあ・・・範囲を減らそう。」とつぶやく教員ばかりだった。ほとんどの教員が時間数すら数えずに無計画な授業をやっていたのだ。(さすがにその学校は潰れかけていますが・・・)
公立の学校ではもっとひどいといえよう。試験範囲がその証拠だ。

もしもこのブログを目にした教員さんがいたら本当に改善するために頑張ってもらいたい。少なくとも試験範囲は単元の途中になったりしないようにする。時間が足りないなら補習でもして補う。補習するという概念とか制度がないなら作ればよいのだ。手当なんか出ませんよ。そもそもその仕事内容で給料をもらいすぎなのだから。


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