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尾崎塾
富田教室

[2010年12月16日]

正しいからといって正解とは限らない。

寒い寒い。

昼間でも10℃いかない。

昨日,流れ星を見ていたときも相当冷え込んでいた。

快晴だったのでなおさら。

天気がいいと,地表からの熱が宇宙へどんどん逃げられるから冷え込むのだ。これを放射冷却という。



さて,昨日は国語で点数の取れない生徒へこんなアドバイスをした。


たとえば,「今日はこの冬一番の寒さだ。」と書いてある。

次の中から,この文から言えることとして最も適切なものを選びなさい。
1.今日は放射冷却によって冷え込んでいる。
2.今日は雪が降るかもしれない。
3.今日の気温はこの冬で最も低い。
4.今日は火災にも気を付けないといけない。

正解は3だが,他の選択肢はどうして間違いなのか?

おそらく気象学的には1は正しい可能性が高い。実際,昨日は気象予報士である私がそう確信しているし。
2も可能性はあるので正しそうだ。上空1500mの天気図を見ると,大阪付近の上空がマイナス6度以下になっている。こういうときは降れば雨ではなく雪になる可能性が高い。
寒い日は西高東低の冬型気圧配置になっていて,日本海側は雪。太平洋側はフェーン現象で乾燥した風が吹く。乾燥して風が強いと火災が広がる可能性が高い。なので,火の元に十分注意が必要だ。なので4も正しいといえよう。

あれれ?正しいのに正解ではないの?

そうなのだ。現代文の問題は日本語の理解を問うだけであって,気象学の知識なんてこれっぽっちも問うていない。問題文に書かれてあることを言い換えた日本語を答えるだけでよいのだ。
「寒い」という日本語を「気温が低い」と言い換えるだけ。
だから3が正解。

選択肢の内容が正しいかどうかではないと「割り切って」解答するのがコツなのだ。ここをわかっていない中学生高校生が非常に多いのだ。こうやって,わかりやすい例で説明すると理解はしてくれるが,実際の試験ではもう少し内容が難しくなる。なので,正解率を高めるには演習を繰り返すのが一番だ。国語って成績が上がらないと思われがちだが,こういったことは訓練していけばどんどん身についていくものだ。なので,コンスタントに現代文の演習をすることをお勧めする。





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