[2011年1月22日]
日教組の教研集会が開幕したとか。
教員も労働者であるから,組合というものがあって,様々な権利もあり,法の下に守られるべきこともある。
まじめすぎる先生が働きすぎて過労死になったりせぬように,環境を整えるべく組合というものがあってもいいだろう。
しかし,気を付けよう。
多くの,ほとんどの組合員は今の仕事をいかに楽にするかという方向でしか考えていない。
35人学級にするのもそうだ。
クラスの人数が少ない方が一人一人に目が行きとどくので,こどものためになるというと聞こえがいい。極端な数字でいうと,40人学級が20人になったら一人に2倍の時間がかけられるという論理だ。
実際はそんな風にはならない。絶対にならない。
1人に5分かかる教材準備を40人すると200分かかる。
20人だと100分ですむ。
それだけ。
絶対に1人に10分かかる,つまり2倍ていねいな教材づくりなんてするわけがない。
楽になった100分を各自の趣味に使うだけだ。
さらにもっと怖いことは,人間は一度楽を覚えるともとにもどれない点。
先ほどの例で,クラスが20人で楽な状態を経験して,政権が変わったり状況の変化で30人の処理をすることになったとしよう。
40人みていた時と比べて楽になっているはずだが,20人のときよりも1.5倍の量になっている。
こんなとき,教員はどうするか。
なんと,1人にかける労力を3分の2にしてしまう。つまり手抜きになるのだ。
一人一人に目が届くなんて大ウソだから気をつけよう。
学級崩壊もいじめも起きにくいというのだ。
そんな甘いものではない。
たとえ10人であっても指導力のない先生のクラスならいじめも起きるし崩壊もする。
現に指導力のある教員なら40人でも50人でもしっかりと指導してきたわけだ。
クラスの人数が少ない方がよくめんどう見てもらえる気がする(だまされている)保護者も多いだろう。むしろ実際は逆。
少人数クラスの増加は指導力のない教員を量産していくことになる。
こうやってどんどん学校はダメになっていく。
あっ,塾も同じだ。
個別指導の塾が流行っているが,マンツーマンで教えてもらったら自分のこどもはよく理解できて成績が上がると思っている(だまされている)保護者が多い。世の中そんなに有能な講師は多くない。個別指導の大学生は素人同然。そんな塾が量産されているのが現状なのである。
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