[2011年1月28日]
霧島の火山が半世紀ぶりに噴火した。
阿蘇とか雲仙とかの活発な火山があることから,あの辺りは火の国=肥の国というようになっている。
日本は火山国だが,中でも九州は非常に活発なのだ。
私の住む大阪や首都のある東京から見ると,霧島なんてはるか遠くの話のように思うかもしれない。
ところが,九州の火山活動によって日本全土が被害を受ける可能性はかなりあるのだ。
昨年,ヨーロッパで飛行機が飛べなくなった件を覚えているだろうか。あれはアイスランドの火山灰の影響であった。
当然日本の火山噴火で,日本付近の上空に大量の火山灰がまき散らされたら航空機は飛べない。
農作物の上に降灰する被害も起こる。
日本人は火山国に住んでいるのだから,もっと火山の危険性を認識しておくべきだろう。
全国民に読んでおいて欲しい小説がある。
死都日本。
これは今回の霧島あたりで破局的な噴火が起こる話で,まったくのフィクションではない。十分に起こり得ることが書かれてある。実際にそうなった時のためのイメージトレーニングには最適だ。
特に,火砕流についての記述は我が意を得たりという感じ。
火砕流という言葉は20年ほど前までは一般には知られていない言葉であった。あの雲仙普賢岳の噴火までは。
当時の報道がいただけない。
各新聞,TVがこぞって「大火砕流」と報じていた。
あきれた。
あんなのは「大」規模ではない。小規模と言ってもいいくらいだ。
本当に大規模の火砕流が発生したら,死都日本に描かれているように日本は壊滅的なダメージを受ける。
昨日も火山レキが降ってくるところに報道のTVが入っていた。
火山の危険性をなめているとしか思えない。そのうち記者が大きな噴石に当たって死ぬと思う。
リスクマネジメントという観点からすると,世界全体でこのような大規模噴火に対する備えをもっとしておくべきであろう。
地球温暖化なんて,2の次3の次でよい。
まずは地震,次に火山噴火だ。
私などからすると,戦争に備えて国防費をかけるよりも自然災害にお金をかける方がずっと効果的だと思う。
極端な話,戦争になりそうな相手が全く理不尽な要求をしてきても,それにしたがってあげれば戦争は回避できる。どんな国が相手でも,所詮は人間なのだ。話せばわかる部分がある。
一方,地震や火山噴火はいくら話し合っても発生自体を防ぐことができないのだ。しかも,いつ発生するかわからないし,今日明日か来年か,10年後かわからないがかなりの確率で発生する。そちらの方に十分な備えをしておくことはきわめて重要なのだ。
霧島の活動を冷や冷やしながら見守りたい。
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