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尾崎塾
富田教室

[2011年1月30日]

続塾の売っている商品は何なのか

意表をついてシリーズ変更?

というわけではないが,よく質問されるので考えてみた。

先日書いたウチの塾の一番の商品は「環境」であった。

でも,これは目に見える商品であって,本当は違うモノを売っている。だからよく質問されて困るのだ。

よくある質問=「宿題は出さないのですか?」

この質問は本当に困る。

おそらく他の塾では,大量に宿題を出して演習量をかせいでいるのだろう。それをきちっとやればかなり力がつく子もいるのだろう。

しかし,このような宿題を出すやりかたはウチの塾の基本コンセプトに全く反するので出さないのだ。

もちろん家で大量に問題を解いて力をつけるのはいいことだ。
どんどんやったらいいと思う。
しかし,その家庭学習の中身は私から見えない。
見えないものを指導することはできないのである。
そもそも家は勉強する環境としてはイマイチなのでウチの塾の集中できる環境を買っていただいているのでは?

私が提供している内容はこうだ。
授業で問題を解かせる。
解いている様子,書いた答案,それまでの経緯やその子の性格,定期考査や入試の時期なども考慮して,次回以降の演習内容を一人一人丁寧に考えて教材をセットする。

これが「商品」なのだ。

宿題を出すとなると,当然いつもの演習とリンクした形で最も効果のある教材を選定し,時期や分量を考えて渡して,またそれをどの程度こなしたかのチェックもしなければならない。

しかし,それは普段の授業と同等かそれ以上の「商品」を「無料」で提供することになる。生徒や保護者には見えていないので無理もない話だが,1回90分の授業の内容設定にかなりの手間ヒマをかけているのだ。それに当然コストがかかるわけで,授業料はその丁寧な教材選定料と言っても過言ではないのである。さらに,その生徒にはこの教材が良いとなると,その生徒のためだけに教材を購入したりもする。それで教材費は一切いただいていないのだから,それだけでもコストがかかっていく。

なので,もっと演習量を増やしたければ通塾の日数を増やしていただくしかないのである。

正直なところ,週に2回の通塾の方も多いが,それでは演習量が全く足りない。かといって,家庭で勉強する「環境」もない。おそらく,演習量をかせごうと宿題を与えてもきっちりとできるケースは少ないと思う。宿題を与えて,それをやっていると勉強が十分に足りている錯覚を起こす。そんな錯覚を「無料」でもらうよりも,私の塾の集中できる環境で,「有料」で実りのある演習を買う方が賢明だと思うのだ。

というわけで,ウチの塾では「わかった気がする」とか「プリントをたくさんもらった」とかは売らない。「集中してきっちりとした演習をして,確実に頭が良くなる」という授業を売っており,その準備に十分な時間=コストをかけているのである。

他の塾は知らない。よくわからないが,個別指導であってもいくつかの教材から一番合うと思われるものを一度与えたら,とりあえずそれをずーっと使うだろう。たとえば数学でも分野によっては他の教材の方がフィットするとしても,はじめに決めたテキストを途中で切り替えたりしないと思う。集団塾なら全く自分に合わない教材をやらされる場合も多いだろう。なので,教材選定にほとんどコストがかかっていないのである。ならば何を売っているのか?知らないし,わからないが「合格数」を売っているとしか思えない。たくさんの生徒を集めたら中には優秀な子がいて合格するから。
いや,わからない。知らないし。
ウチの塾で教材費をいただかないのは今書いたように,テキストにしばられないようにするためだ。教材費をいただくと,その生徒の教材を一度決めると,それをずーっと使わざるを得ない。フィットしないとわかっても使い続けることになる。その生徒にその時に一番いいモノを自由に与えることができることを優先すると,教材費をいただけないのだ。

塾によっては教材費で儲けているところがあるだろう。
というか,ほとんどの塾はそうだろう。
あっ,いや,知らない。わからない。


というわけで,尾崎塾では宿題は出しません。
定期考査前に,演習の残りや補充問題を渡すことはある。
しかし,それはどのように利用されるかはチェックしていない。
おそらく試験前はちゃんとやっていると期待してはいるが・・・

何卒ご理解を賜りたい。



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