[2011年2月5日]
鹿児島の火山が噴火すると空気が振動する。
その振動が関東まで伝わっていたという。(読売新聞)
鹿児島から900km離れているところに噴火から45分後に1パスカル(Pa)程度の気圧変化が観測されたのだ。
こういうニュースを聞いて,「勉強」のできる人はこう考える。
「900kmを45分かかったのだとするとその速さはどれくらいだろう?一般に知られている音速と同じなのかな?」
計算 900km=900×1000m
45分=45×60秒
速さ=900000÷(45×60)=333m/秒
一般に音速は約340m/秒と知られているが,これは気温約15℃のときの値。今は冬で気温が低く,気温が低いと音速が遅くなるのでほぼぴったりの値だ。「空振」というのは大きな音が鳴っているのと同じことなのだ。
こんなことがニュースから考察できる。
逆に音速の式から伝わってきた空気の温度(気温)を推定することもできる。
他の食いつき方もある。
「1パスカルは天気図で出てくるヘクトパスカルのパスカルと同じはず。ヘクトは100の意味なので,大気圧の平均値1013ヘクトパスカルは101300Paだ。ようするに大気圧の10万分の1程度の圧力変化を関東で検知したということ。」
大気圧自体は普段の人間は感じていないが,車で山を急に下ったりすると耳がおかしくなったりする。大気圧差のためだ。およそ10mの高低差で1ヘクトパスカルなので1パスカルは高低差10cmっていうこと。まず人間には感じられない。
およそ1ヘクトパスカルは水1cm分の重さが作る圧力に対応する。なので台風で960hPaのがくると水面が50cmくらい盛り上がる。高潮の吸い上げ効果というものだ。
今回火山近くで400パスカルつまり4hPaでガラスが割れたとか。
水4cm分の圧力だ。水4cmがいきなりガラスの上に乗ったら割れることも十分ありそうだ。そんな考察ができる。
というわけで,ちょっとしたニュースにこんな感じで食いついて考察する人が「かしこ」くなっていく。
何も気に留めずに聞き流す人は学校で学んだことと世の中の事柄が乖離しており,勉強になっていかないのだ。
勉強とは世の中のことを知っていくことなのである。
普段の生活とか心がけが圧倒的に学力差を生み出しているのである。
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火口の3kmくらい近くだとガラスが割れたりする。