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尾崎塾
富田教室

[2011年3月9日]

学力の基盤は日本語能力

広島県の高校の問題で,「ナげかける」の「ナ」を問う問題が出題されたのだが,生徒がすわっているイスの後ろに「イスを投げたり倒したりしてはいけません」というラベルが貼ってあったそうな。

気づいた生徒がいたかどうかわからないが,こんなことはザラにある。
生徒の持っている筆入れやペンにもさまざまな日本語や英単語が記入されている。

生徒の着ている服の背中に英語がプリントされている。

試験監督要領で,そのような場合は裏向きに着せるとか脱がせる措置をとるように書いてあるが,どこまで徹底できているかは疑問。

こういうのはカンニングとは言えまいが,完全にこのようなことをなくすのは不可能と思われる。

そんなことより,「投げる」という漢字を知らなかったとすれば,その方が問題だろう。全員が正解していたことを祈ろう。

理科や社会の試験なのに漢字で減点される場合もある。

よくあるのが岩石の組織で,「斑状組織」を間違うケース。

「斑」を「班」と書いてしまうのだ。

漢字の意味をわかって書いていない証拠。

しかし,もっとすごいミスがある。

「これを何組織といいますか。」という問いなのに,

「斑状組識」と書いてしまうのだ。
ココです↑

「織」が「識」になっていたりする。

問題文に書かれている方の漢字を間違うという痛恨のミス!

めったにないケースかと思われるだろうが,意外に多い。

他に日本語の間違いも多い。

火成岩の斑状組織と堆積岩の組織の違いを問うと,

「堆積岩の粒は角がとれて丸みを帯びている」のだが,

こんなふうに書く中学生が10人に1人くらいいるので気持ち悪い。

「角がとれて丸びを帯びている」

「び」???

こういう状態だから教師が発する言葉の多くを正しく理解できていない生徒が多くいるに違いない。教師は発問して答えられない生徒がいた時に,質問した言葉の意味がわかっていない可能性をいつも頭にいれておかないといけない。

そういえば,「もしドラ」に出てくる先生が東大卒で,言葉が難しいからマネージャーが翻訳する担当になっていたな。教室にもマネジメントする人が必要な時代だ。

「もしも高校の女子学級委員がドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

東大合格者続出だったりして。





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